先日、ニューヨーク市長選への出馬の憶測が流れたアンドリュー・クオモ前州知事(65)。最新の世論調査では、クオモ氏の支持率が現職のエリック・アダムス市長を大きく上回っていることが示された。
American Pulse & Researchが11/30と12/2に実施した調査によると、予備選で二人が対決した場合、クオモ氏の支持率は44%で、エリック・アダムス氏は24%だった。
ニューヨークポスト紙によると、クオモ氏の支持率は全人種でアダムス氏を上回り、特に女性の有権者で差が開いた。
同社の世論調査員は結果について「大きな驚き」だとし、「アンドルー・クオモが民主党の市長として出馬すれば、予備選挙でアダムズ市長を決定的に打ち負かすだろう」と語った。一方で「ニューヨーカーがアダムス市長に最も好ましくない政治家の栄誉を与えたことを考えれば、当然のこと」と加えた。
アダムス氏は、選挙資金をめぐるFBI捜査、移民流入危機とそれに伴う他分野の予算削減、憎悪犯罪の増加といった問題をめぐって非難の声にさらされている。
先月発表されたマリスト大学の世論調査の結果では、アダムス氏の支持率は37%で、昨年3月の61%から急落した。
ただし、2年前に相次ぐセクハラ疑惑を受けて辞任したクオモ氏の政界復帰の期待が高まっているとは一概に言えない。仮に上院選に出馬し、ニューヨーク選出の現職カーステン・ギリブランド議員と予備選で争った場合、今回の調査では15%近くの水(49%対35%)をあけられている。
最近になって、クオモ氏が市長選で政界復帰を狙っているとの憶測が流れている。
先月は、アダムス氏と比較する質問などを含む、クオモ氏によるものとみられる世論調査が実施されていることが明らかになった。
ネットにシェアされた画像によると、クオモ氏とアダムス氏のどちらが市運営で良い仕事をすると思うかといった質問や、候補者になった場合の投票の可能性、辞任のきっかけとなったセクハラ疑惑やそれをめぐる訴訟の影響などを推し量る問いなどで構成されていた。
ただし、関係者らは、クオモ氏とアダムス氏は親しい間柄で、アダムス氏が続投を目指すのであればクオモ氏は出馬しないとの見解を示しているとも報じられている。
クオモ氏自身も、先月FOX5のインタビューに出演した際、「アダムス市長が何か重大なことをしたことを示すものは何もない」「(不正の証拠がない中では)市長を支持するべきだ」とアダムス氏を擁護している。
なお今回の調査には、前回の市長選でアダムス氏に敗北したガーディアン・エンジェルズのカーティス・スリワ氏(共和党)が率いるグループが関わっているとされている。そのことから、アダムス氏の選挙陣営は「信頼に値しない」と批判している。