ペンス、反トランプ・ポピュリズムの象徴に? 共和党内で存在感再浮上

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Andrew Cline/shutterstock

マイク・ペンス元副大統領が、意図せずして共和党内でMAGA(トランプ支持)陣営に対抗する「顔」となりつつある。保守系メディアのワシントン・エグザミナーが伝えた。

背景にあるのは、トランプ政権2期目で一部が事実上取り入れられたとされる政策構想「プロジェクト2025」をめぐるシンクタンク界隈の動きだ。この構想を主導してきた保守系シンクタンク、ヘリテージ財団から最近、十数人の有力スタッフが相次いで離脱し、ペンスが率いる政治団体「アドバンシング・アメリカン・フリーダム(AAF)」に移籍した。移籍組には、同財団で法務、経済、データ分析分野を統括してきた上級リーダーも含まれるという。

一方、ヘリテージ財団内部では、理事長ケビン・ロバーツの路線をめぐる対立が表面化している。ロバーツは今秋、保守系キャスターのタッカー・カールソンが白人至上主義者として知られるニック・フエンテスを番組に招いた件を擁護し、これが火種となってユダヤ系団体や保守層の一部から強い反発を招いた。ロバーツは後に謝罪したものの、財団の方向性をめぐる議論は収束していない。

ペンスは、2021年1月の連邦議会襲撃事件を機にトランプと決定的に決裂した。2024年大統領選では自らを「憲法保守主義者」と位置づけてトランプに挑んだが、支持は広がらず、予備選開始前に撤退。その後も中絶政策や関税、ウクライナ支援などをめぐり、トランプとは一線を画した立場を取り続けている。

もっとも、共和党の支持基盤は依然としてトランプ寄りだ。トランプ支持層に強い影響力を持つ保守系団体「ターニング・ポイントUSA」は、次期大統領選を見据えてJD・バンス副大統領を後押ししている。リアル・クリア・ポリティクスによる12月時点の世論調査平均では、バンスが48.8の支持率で首位を独走し、トランプ・ジュニア(11.0%)らを大きく引き離している。

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現時点でペンスの名は上位候補には見当たらない。本人も出馬の意向は示していないが、今年5月のテレビインタビューでは「保守主義の価値を代表する声でありたい」と語っている。2026年の中間選挙で共和党が再び苦戦し、トランプの党内での影響力が弱まるような事態になれば、党内の力学は変わり得る。その場合、ペンスにとって新たな機会が訪れるかもしれない。