米政府閉鎖中でも実施!NORADによるサンタクロース大追跡

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国境の壁建設費をめぐる与野党の対立により、米政府機関が一部閉鎖されているが、北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)は、60年以上の伝統を誇るサンタクロースの大追跡「NORAD Tracks Santa」を今年も実施すると発表した。

「ノーラッド・トラック・サンタを率いる軍人たちは、毎年プログラムを実現させるために、1500名以上のボランティアによって支援されている。」とツイッターで、24日よりレーダーでの追跡を開始すると述べた。

メラニア大統領夫人は、休暇で現在フロリダ州マーララゴの別荘に滞在中だが、同地より応答する予定だ。

ノーラッド(NORAD)は、米国とカナダによる共同防衛組織で、レーダーや衛星などを使い、人工衛星やミサイル、飛行機などによる攻撃や脅威がないか監視を行っている。

誤植から始まったサンタの追跡

NORAD サンタ追跡
Photo by Maj. Michael Humphreys

北極を出発したサンタクロースを、軍用レーダーで追跡する歴史あるイベントは、1955年からスタートした。

コロラド州コロラドスプリングス(Colorado Springs)市の新聞に、百貨店シアーズ(Sears)の広告が掲載されており、そこに誤った電話番号が掲載されていたことがきっかけだった。

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シアーズの広告は、サンタのイラストとともに「私に電話して。」と子供に呼びかける内容だった。しかし、その電話番号が誤植により、ノーラッドの前身であるCONAD(本土防空軍)の直通番号となっていた。

その番号は、国防総省の大佐クラスのみが有する番号だったため、電話がかかってきた時、ハリー・シャウプ(Harry Shoup)大佐は大変驚いたという。

「50年代は冷戦時代だったため、電話を受けた父は、米国が攻撃を受けたのかと思った。」とシャウプさんの息子リックさんはNPRに語っている

電話を受け取ったシャウプさんは、小さな声の主が「サンタ・クロースですか?」と尋ねたため、冗談かと思って憤慨したという。すると、その子は泣き始めたため、これは冗談ではなさそうだと気付いたシャウプさんは、「ホ、ホ、ホ」とサンタの真似をして、その後母親に電話を代わってもらった。そこでシアーズの広告に、サンタの連絡先として、CONADの直通電話が掲載されていることが判明した。

その後、続々と電話がかかり始めたという。そしてシャウプさんは、子供たちのために、サンタに扮する飛行士を複数名配備した。

この出来事をきっかけに、自分たちのレーダーを使ってサンタクロースの場所を追跡し、子供たちへと伝える伝統行事が誕生した。

1958年に、米国はカナダと共同で北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)を設立。サンタを追跡するミッションもノーラッドが引き継いだ。

サンタクロースを追跡するには?

NORAD

公式サイトほか、フェイスブックツイッターユーチューブのアカウントで確認することができる。