テネシー州ナッシュビルの中心部でクリスマスの早朝に自動車が爆発した事件で、捜査チームは27日、容疑者はナッシュビル郊外に住むアンソニー・クイン・ワーナー(63)で、現場で爆発によって死亡したと発表した。
発表の前日、捜査官らが、現場から10マイルほど南東にある町アンティオークにあるアンソニー・ワーナー容疑者の家を捜索したと報じられていた。
アンソニー・ワーナー容疑者とは？
ワシントンポスト紙によると、アンソニー・ワーナー氏は未婚で、近所の住人は、めったに外出することはなかったと話しているという。
かつては警備会社を経営していたこともあり、家の周りには多くの防犯カメラを設置していた。近隣住民に手をふり返すことは稀で、クリスマスディナーの誘いにも応じなかったという。
以前は両親と同居していた。2011年に父親が死亡した後も、母親のベティ・クリスティン・レーン（Betty Christine Lane）さんとしばらくともに暮らしていた。その後、近くで一人暮らしをしていた。
アンソニー氏の家から一マイルほどの場所で、お化け屋敷を営む従兄弟のロバート・ワーナーさんは、ワシントンポスト紙の取材に、アンソニー氏は父親と同様に電話と電子機器にのめり込んでいたと答えている。またアンソニー氏と10年近く話をしておらず。親戚の多くも連絡をとっていなかったと語った。
近所に住むSteve Schmoldtさんによると、アンソニー氏は犬を飼っており、ペットについて話したこともあった。また３週間前にワーナー氏が延長ハシゴを登って、家の大きなアンテナの作業をするのを目撃していた。Schmoldtさんは、アンソニー氏は「ITガイ」で「かなりの数のセキュリティカメラを家の周りに張り巡らしていた」と語っている。
ナッシュビルで不動産会社を営むスティーブ・フリドリック（Steve Fridrich）氏は、同紙に、ワーナー氏はコンピューターコンサルタントとして15年間働いていたと語っている。アンソニー氏は今月、リタイアすると告げたという。
フリドリック氏はまた、地元TV局の取材に、FBI捜査官から、アンソニー氏が5G技術について妄想を抱いていなかったか尋ねられたと答えている。
家を巡り母親と訴訟、女性と謎の関係
デイリー・メールによると、アンソニー氏は家の所有権を巡り、母親から訴えられていた。
父親のチャールズ・B・ワーナー氏が2011年に78歳で死亡すると、兄弟のスティーブン・ワーナー氏が家を引き継いだが、スティーブン氏は、2018年に遺言を残さずに死亡した。
チャールズ氏が死亡する前に離婚していた母親のベティ・クリスティン・レーンさんは、家は法的に自分に所属すると主張。アンソニー氏が、25万ドルの家を彼自身に不正に譲渡したとして、実の息子を訴えた。
不可解なことに、アンソニー氏はその後、ロサンゼルス在住の29歳の女性に家を譲渡していた。
2019年2月、巡回裁判所の審問で、判事は、母親が、スティーブンさんの物件を管理する人物として適当だと裁定。ロサンゼルスの女性は今年８月7日に、レーンさんに物件を返還したという。
ロサンゼルスの女性は？
デイリーメールをはじめ、複数のメディアは、物件を譲渡されたロサンゼルスの女性は、アンシュッツ・エンターテイメント・グループ傘下のAEG Presentsで、アーティスト開発ディレクターをつとめるミッシェル・スウィング氏(Michelle Swing)だと報じた。
さらに、アンソニー氏は、自身が住んでいた16万ドルの物件を、事件のちょうど一ヶ月前の11月25日にミシェル氏に無償で譲渡していたことも判明した。
NYポスト紙によると、スウィング氏はアンソニー氏との関係について話すのを拒否している上、譲渡の事実さえ知らなかったと話しているという。スウィング氏はまた、デイリーメールに、テネシー州では譲り受ける人物の同意や署名なしに、財産を譲渡することが可能だと語っている。
一方、US Sunは27日、アンソニー氏が11月にスウィング氏に宛てた手紙で、譲渡書類に署名したことを告げていたと報じた。アンソニー氏はさらに、地下室が「通常ではない」と告げ、クリスマスイブに、犬を連れて森で数週間過ごすと明かしていたという。
デッドラインによると、スウィング氏は、2011年から2012年、テネシー州ノックスビルで、ボナルー・ミュージック・アンド・アーツ・フェスティバルを手がけるAC Entertainmentで働いていたという。
またNYポスト紙は、スウィング氏には、ナッシュビルから165マイル離れたレノア・シティで暮らす家族がおり、自身も以前暮らしていたと伝えている。またスウィングさんのリンクトインには、テネシー大学ノックスビル校で、マーケティング・ビジネスを専攻していたと記されているという。
