「MAGAはカルトじゃない!」イラン攻撃めぐるトランプ信者の“教義論争”

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Dolores M. Harvey/shutterstock

イラン核施設への攻撃をめぐるMAGA内の小競り合いは、政策論争を超えた信仰問答の様相を呈している。

アンチ移民の熱烈なトランプ支持者として知られるマージョリー・テイラー・グリーン議員(ジョージア州)は、23日のXの投稿で改めてイランへの爆撃に反対する姿勢を表明した。

「MAGAは外国との戦争を支持しないし、レジームチェンジも支持しない。アメリカ・ファーストを支持する。アメリカは、核兵器を保有するイスラエルとイランの戦争に関与するべきではないわ」

この投稿に対して、あるユーザーは「あなたがMAGAを定義してはならない。実際、あなたは人々を分断させている。他人の意見を尊重し、特にMAGAである大統領の意見を尊重しなければならない。アメリカの最善の利益のために行動する上で、ドナルド・J・トランプ以上に信頼できる人物はいない」と反発した。

そのほかにも、「誰がグリーンをMAGAの代表にしたのだ。トランプがMAGAを創造し、彼一人がそれを定義づけるのだ」「トランプが運動の指導者だ。アメリカ・ファーストを決めるのは彼だ」「MAGA創始者のような発言はやめろ」など、教祖への異論を許さないと言わんばかりの批判が相次いだ。

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しかし、グリーン氏の嘆きは止まらない。

彼女は別の長文投稿の中で、「MAGAが嫌悪してきたはずのネオコンや主戦論者、軍産複合体の契約者、ネオコンのテレビパーソナリティーといった“ネバートランパー”を喜ばせるための完全なおとり商法にひっかかっているように思える」と述べ、非介入主義が対外強硬論者に乗っ取られつつあると指摘。また、イランの核施設攻撃後、「完全な成功」から「部分的な損傷」へ、「今や濃縮ウランがどこにあるのか分からない」と説明が変化していることにも懸念を示した。

さらに、「自分たちの子どもの未来は、テロ攻撃や徴兵、核戦争を引き起こす“アメリカ・ラスト”の外国戦争から解放されていなければならない」と強調。その上で、「洗脳された民主党支持の団塊世代が考えることや抗議することとは逆に、トランプ氏は王様でもなければ、MAGAはカルトなんかじゃない。私は自分の意見を持てるし、実際にそうしている」と締めくくった。

・・・その間、トランプ氏はスマホを使った反乱分子の排除に余念がない。

Truth Socialの投稿で、イランへの攻撃を「違憲」と断じた共和党のリバタリアン寄り、トーマス・マーシー議員を名指しし、「MAGAは彼を必要としない。彼を知らない。彼を尊敬しない。彼はどんなに良いことでも常にNOを投じる、ネガティブな勢力だ……MAGAはこの哀れな敗者、トーマス・マーシーを疫病のごとく排除するべきだ」と非難。

そして、MAGA支持者に命令を下した。

「この役立たずをオフィスから即刻追い出せ!!!」