下院監視・政府改革委員会 イライジャ・カミングス委員長が死去。病床から召喚状に署名

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メリーランド州第7区選出の民主党のベテラン下院議員、イライジャ・カミングス(Elijah Cummings)氏が17日、死去した。68歳だった。同氏の事務所は、死因について「長年の健康上の問題と関係する合併症」と説明している。

1996年に下院に初当選したカミングス氏は、民主党が下院多数派となった昨年の中間選挙で13期目の当選を果たし、下院監視・政府改革委員会の委員長となった。委員会では、ホワイトハウス高官による私的メールの使用や、南部国境における拘束された不法移民の扱い、国税調査への市民権の質問追加など、政権に対する幅広い調査を指揮。同委員会では現在、情報特別委員会、外交委員会とともにトランプ大統領の弾劾調査を進めている。

カミングス議員はここ数週間、健康状態を悪化させ、議会公聴会や委員会に出席することができなかった。ニューヨークタイムズによると、議会から遠ざかる間も、トランプ大統領の弾劾調査に関わり、ナンシー・ペロシ下院議長や他委員会の委員長との電話会議に参加。病床から召喚状に署名することもあったという。

メリーランド州民主党の議長で妻のマヤ・ロッキームーア・カミングス氏は声明で「彼は息がつきるまで仕事をしていた。我々の民主主義こそが人類の最高、最良の表現であり、われわれの国家の多様性は問題ではなく、希望であると信じていたからです。このすばらしい旅を彼とともに歩むことができ、光栄です。」と述べた。

トランプ大統領の元弁護士、マイケル・コーエン氏やケビン・マカリーナン氏の公聴会では、人々の記憶に残る力強いスピーチを行った。

カミングス氏に対し、トランプ大統領は度々攻撃的な言動を繰り返してきた。

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今年7月、ケビン・マカリーナン(Kevin McAleenan)国土安全保障長官代理を公聴会に呼び、南部国境で拘束された不法移民の子供の扱いを厳しく追求すると、トランプ大統領はツイッターで、カミングス議員の選挙区であるバルチモアを「はるかに悪く、もっと危険」「気分の悪い、ネズミがはびこる散らかった地域」と述べ、「彼がもっとバルチモアに時間を費やすならば、この危険で不潔な場所をよくすることができるだろう」と攻撃。大統領の発言を差別的だとして、民主党議員からは、一斉に非難の声があがった。

訃報を受け、トランプ大統領はツイッターで哀悼の意を表明。「高い尊敬を受ける政治リーダーの強さと情熱、そして賢明さを目の当たりにすることができた。多岐にわたる仕事と彼の声は、不可能ではなくとも、他に置き換えるのは非常に難しいだろう」と述べた。