顔面麻痺に歩行異常!? 民主党議員 トランプ健康神話に一撃

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Joey Sussman / Shutterstock.com

民主党の若手ホープ、ジャスミン・クロケット下院議員(テキサス)が、トランプ大統領の健康をめぐる議論に新たな一石を投じた。

10日、自身のホームページで声明を発表し、ホワイトハウスが大統領の健康悪化を意図的に隠している可能性を指摘。調査の開始を表明するとともに、主治医ショーン・バルバベラ医師に書簡で詳細な説明を求めたことを明らかにした。

書簡では複数の報道を引用し、「足首や下肢の腫れ、手の変色など、懸念すべき身体的症状」と「繰り返し観察される認知機能および行動上の欠陥」が確認されていると主張。「説明を要求する正当な医学的疑問がある」と述べている。

クロケットは認知機能の低下について、トランプはパウエルFRB議長を自分が任命したことを忘れるなど、基本的な事実を思い出すことに困難をきたしている可能性があると指摘。また、選挙演説でアーノルド・パーマーの性器を連想させる発言やオーラルセックスの仕草をした点を挙げ、卑猥な言動が常態化していると説明した。

身体的な面では、足首の腫れや手のあざに加え、顔面麻痺とみられる症状や歩行の不安定さが観察されているとし、7月に明らかにされたアスピリン服用にも言及。「70歳以上の人への一次予防薬としては推奨されない」と述べ、既往歴として心臓発作や脳卒中の可能性を示唆した。

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議員は主治医に対し、次の5点について回答を求めている。

  • 大統領が過去15年間に心臓発作または脳卒中を経験したことがあるか
  • 健康上の問題が職務遂行能力に影響を与えたことがあるか
  • 杖や装具などの補助器具を私的に使用しているか
  • 顔面麻痺や運動障害が繰り返し発生する原因
  • 大統領が最高司令官としての職務を遂行するうえで、完全な健康状態を維持していると断言できる医学的根拠

2期目の就任後、トランプの健康をめぐる憶測はくすぶり続けている。

足首の腫れや手の甲のあざが繰り返し話題となり、先月の9.11追悼式典では、右頬が著しく垂れ下がった姿がSNS上で注目を集めた。8月の米露首脳会談では、プーチン大統領を出迎える際の「ジグザグ歩行」が拡散され、ネットでは健康不安説が再燃した。

心理学者ジョン・ガートナー博士は、トランプの歩行には右足が半円を描くように振られる「レッグスイング」が見られると指摘している。これは前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia)の診断において特徴的なサインのひとつだという。

クロケットの発表はトランプ大統領の2度目の健康診断に合わせて行われた。

バルバベラ医師が公表した内容によると、大統領はウォルター・リード米軍医療センターで「予防的健康診断と予防接種」を受けた。インフルエンザおよび新型コロナの追加接種を受けたという。結果について「全般的に良好な健康状態」を維持しており、「心臓年齢」は「実年齢より14歳若い」などと説明している。

トランプは4月にも「年次検診」を受け、7月には慢性静脈不全症を公表していた。バルバベラ医師によれば、同疾患は「一般的で良性の症状」であり、手の甲のあざについても「頻繁な握手やアスピリン服用による軽度の軟部組織炎症」と説明された。