Airbnb創業者が明かす、オバマ氏から学んだ「人生を変えた教え」

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mark reinstein/shutterstock

Airbnbの共同創業者兼CEO、ブライアン・チェスキー氏は、オバマ元大統領からメンタリングを受けているという。

ミッシェル・オバマ氏のポッドキャスト番組にゲスト出演したチェスキー氏は、きっかけは大統領を退任したオバマ氏に「厚かましくも」助言とメンターシップを求めたことだったと語る。そこから二人は教師と生徒のような関係に発展した。

「彼がアドバイスを与えて、私がそれを受けて、実行する。そして教師に対するように、宿題を提出すると、彼が次の宿題を与えてくれるんです」。

2018年には毎週1時間、夜に電話で対話を重ねるようになった。それをチェスキー氏は「夜間学校」と呼び、「人生を変えた」教訓を受け取ったと振り返る。

「彼は、多くのリーダーたちは文字通り自動運転車のようだと話したんです。彼らは意図的ではなく、目的地を入力されていない自動車のようなもので、ただ運転しているだけだと。彼のおかげで私は本当に意図を持って行動するようになった。私は人生に何を求めているのか、会社に何を望むのか」。

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オバマ氏はさらに、自身のビジョンを妥協させないよう「意図を制度化」するよう勧めたという。こうした助言を受け、チェスキー氏は多くの原則を紙に書き出し、それらをAirbnbの中に制度として組み込んでいった。

彼はこの学びを、「いかに深く考えるか」だと表現する。起業家にとって「考えすぎ」は動きを止めてしまうものだが、オバマ氏の助言は自分を、1人の起業家から数百万人のコミュニティを率いるCEOへと進化させるのに役立ったという。

デザイン思考で世界を読む

番組内では、チェスキー氏の原点であるデザインの力にも話が及んだ。

同氏は2004年にロードアイランド・スクール・オブ・デザインを卒業し、2017年に同校から名誉美術博士号を授与されている。

チェスキー氏の考えでは、「アートは世界にある疑問を投げかけ、デザインがその答えを提供する」。デザイナーを志したのは「人々を助け、答えをデザインしたかったから」と述べ、才能の集まるシリコンバレーで、特異な存在になれたのはデザイナーだからこそと振り返る。「テクノロジストは技術からスタートする。彼らはソリューションから出発して問題を探すが、デザイナーは問題からスタートする」と語った。

Airbnbが創業された2007年は、iPhoneが発表され、Facebookが学生から一般向けに開放された年だった。シリコンバレーは「超新星のようなエネルギー」に満ち、世界がつながっていくという希望があった。

しかしながら、チェスキー氏は年月とともに「製品が意図しない使い方」をされているのに気がついたといい、最大の発明品と考えられたSNSは、実際にはある意味で「未発明」だと指摘する。SNSでは、フォロワーが増えるに連れて、つながりは「演じること」にすり替わったと説明。「他人に対して演じ始めると、親密さとオーセティシティ(本物らしさ)が失われる。それは悪いことではない。でも、人生における本当のつながりの欠如を埋めてはくれない」と述べ、そこから、「Airbnbを孤独との戦いを助ける存在にしたいと考え始めた。なぜなら、われわれはリアルワールドにおけるコネクションなのだから」と語った。