音楽CD売り場はどこへ?ベストバイ CD販売を中止

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best buy CD
©mashupNY

ビルボードの報道によると、米大手家電量販店のベストバイ(Best Buy)が、7月1日より音楽CDの店頭販売を中止するという。

ベストバイはアメリカとカナダで1,026拠点(2016年時点)を展開するCE(コンシューマー・エレクトロ二クス)小売の最大手。2017年度会計では、米国内売り上げ360億2,000万ドルに占めるゲーム、音楽や映画を含むエンターテイメント部門の売上は7%となる。全体の売上が対前年比で0.3%減少する中、同部門の落ち込みは13.8%になるという。なお、同誌によると、ここ数年の同社のCDの年間売上は4,000万ドルほどとなっている。

USA Todayによると、米国全体におけるCDの販売額は、2000年の130億2,000万ドルから2016年には10億2,000万ドルと、過去16年間で10分の1以下へと激しく減少している。一方、米国レコード工業会の発表では音楽サブスクリプションは順調に売上を伸ばし、前年より20%上昇、20億3,000万ドルを記録しているという。

加速する売り場の減少

CD販売を見直す企業はベストバイにとどまらない。
Kmartは2016年にすでにCD販売の中止しているが、一部報道によると、小売大手ターゲットがサプライヤーとの契約を見直し、在庫リスクをかかえない委託販売式を検討しているという。この報道についてターゲットは否定しているものの「オペレーションモデルの変更は、我々のエンターテイメントビジネスへの継続的な投資を意味しているが、業界と消費者行動の大きな変化に対応するものだ」と、何らかの変更を検討していることを示唆している。

ターゲットはかつて、店舗で800タイトルほどを販売していたが、現在は、多くの店舗で100タイトルほどにラインナップを縮小しているとみられている。その一方で、昨年はテイラースウィフトの最新アルバム「Reputation 」のマガジン付き限定バージョンを発売するなど、特定の層にアピールする企画を実施しており、今後もCD販売を新たな顧客層の店舗への誘導に戦略的に利用していくことが考えられる。

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なお、ベストバイはアナログレコードの取り扱いは今後2年間は継続し、ターンテーブルなどの機器とともに販売していく方針だという。