在日米軍の給与をめぐり、少し奇妙な現象が起きようとしている。給料明細では手当が減っているのに、実際の生活はむしろ楽になる——という話だ。
米国防総省は7月13日、在日米軍人向けの「海外生活費調整手当(COLA)」が数週間以内に減額される見通しだと発表した。背景にあるのは、長期化する円安とドル高である。
COLAは、海外駐留中でも米本土と同水準の購買力を維持するための非課税手当で、為替や物価に応じて変動する。つまり、現地の生活コストが相対的に下がれば、その分だけ支給額も縮小される仕組みだ。
現在の日本はドルベースで見ると「割安」になっている。ビッグマック指数を見ると、米国が5.79ドルに対し、日本は3.11ドルと約46%安い。ドルで収入を得る米軍人にとって、日本全体が値下がりしているのと同じ状態だ。
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こうした為替環境を受け、在日米軍の多くの基地でCOLA指数は100を下回る見込みとなっている。これは手当がゼロになる水準を意味するが、指数が100を切っても給与が減額されるわけではなく、単に補助が支給されなくなるだけだ。
在日米軍広報部長のジョン・セバーンズ空軍大佐は「これだけドルが強いと、現地で食料品や生活用品を買うのに非常に割安に感じる」と説明する。
円安は日本国内では負担増として意識されがちだが、ドル収入で生活する人々にとっては逆に購買力の拡大を意味する。手当が消えるほど、生活は楽になる——そんな逆説が、いまの日本で現実になっている。


