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エプスタイン炎上でもトランプはラトニックを切れない?—元側近が語る二人の関係

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Lucas Parker/shutterstock

ジェフリー・エプスタインの私有島を家族同伴で訪問していたことを認め、さらに複数回接触していた事実も明らかになったハワード・ラトニック商務長官。公の説明との食い違いも指摘され、与野党から辞任圧力が強まっている。そうした中、トランプ政権1期目で一時的に大統領報道官を務めたアンソニー・スカラムーチが、ポッドキャストで厳しい見通しを語った。

スカラムーチは、ラトニックについて「ほとんどの政治家が成し得ないことを1分でやってのけた」と皮肉を込めて批判。「不誠実さ、自己認識の欠如、無道徳さという“邪悪な三位一体”を体現してしまった」と断じた。

スカラムーチはまず、ラトニックの最大の問題は「信用の崩壊」だと指摘する。

「あんな(公聴会の)パフォーマンスの後では、いったい誰が彼の言葉を信じるのか」

閣僚がスキャンダルを生き延びた場合でも、野党は「熊をつつき続ける」。とりわけ、もし共和党が下院多数を失えば、召喚による徹底追及が始まる可能性がある。予算権限を握った民主党による激しい調査にさらされるとし、「正直、これを本当に生き延びられる人はいない」と語った。

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中間選挙にも影響する。

スカラムーチは、首都ワシントンは「予測不能性」を嫌うとした上で、議員らはラトニックに対して「ブラックメール(恐喝)のリスクがある」「国家安全保障上のリスク認識がある」「今後何が出てくるのか分からない」と考えるだろうと指摘。接戦選挙を戦うMAGA派議員にとって、不安材料でしかないと語る。

しかし彼は、トランプが解任に動く可能性は低いと見る。

「とはいえ、彼は生き延びる可能性が高い。なぜならトランプは彼を解任できないからだ」と説明。「トランプにとって都合の悪い“ネタ”を握っている可能性がある。辞任するならトランプを道連れにすることもできる」と見立てを語った。

スカラムーチは、スティーブ・バノンが恩赦を受けた背景についても同様の力学があったのではないかとの考えを示した。

「なぜバノンが恩赦を受けたか分かるか? バノンは選挙期間中の怪しい活動についてトランプに不利な材料を握っていたからだ。だからトランプは『私を密告しないよな?』と言い、バノンは『恩赦してくれるなら黙っている』となったのだ」

ラトニックが握る”ネタ”の詳細には触れられなかったが、Politicoは昨年、トランプ側近の話として、二人の特別な関係を報じている。それによれば、ラトニックはトランプとの長く密接な関係を「スーパーパワー」と自称しており、それが閣僚ポストを守る盾なのだという。

2人の関係は少なくとも30年前に遡る。ニューヨークのチャリティーイベントで親しくなった。2001年の9・11同時多発テロで、ラトニックが率いるカンター・フィッツジェラルドは658人の従業員(36歳の弟を含む)を失い、その後さらに関係は深まった。2021年にラトニックが非ホジキンリンパ腫と診断された際、トランプは化学療法中も頻繁に電話もかけた。

昨年3月に出演したポッドキャスト番組『All In』では、30代の頃、トランプと「同じ女性を追いかけた」と意味深な発言もしている。

Politicoはまた、ラトニックは、トランプが最も重視する2つの点—忠誠心とお金—で優れていると指摘する。議事堂襲撃事件でトランプが孤立した際も、ラトニックはパームビーチまで飛んで行きゴルフを共にした。2024年選挙では再選に1000万ドル以上を寄付し、ウォール街のコネでさらに7500万ドルを集めたという。

一方で、ホワイトハウス内での評判は必ずしも良くない。

パナマ運河の管理権奪取や500万ドルの永住権カードといった突飛なアイデアをトランプに持ちかけたのはラトニックで、周囲からは陰で「トランプの最悪の本能を助長している」「大声で口が悪く、判断力も悪い」などと批判されているという。

現在トランプとラトニックは金曜の夜にアイスクリームを頬張りながらゴシップや1週間の振り返りをする関係だという。ただし良好な関係はいつ終わるともわからない。ホワイトハウス関係者はPoliticoに「トランプの世界では誰もが替えが効く存在だ」と警告。「誰もが安全だ、安全でなくなるまでは」と語っている。