衆議院選挙で高市早苗首相率いる保守勢力が圧勝したことを受け、米紙ワシントンポストは社説でこれを「アメリカにとって朗報だ」と歓迎した。だが、その論調とは裏腹に、同紙の読者コメント欄には皮肉と反発の声が相次いでいる。
ワシントンポストは、高市氏の勝利について「日本は中国に対抗する安全保障負担をより多く引き受けられることになる」と評価。防衛費をGDP比2%以上に引き上げる方針、攻撃的軍事能力の拡大、殺傷兵器輸出の解禁、さらには憲法の平和条項改正の可能性までを前向きに捉えた。
社説はまた、「高市早苗氏は、中国に立ち向かうことが政治的利益につながることを示した」「今回の結果は、中国が日本にとって実存的脅威であるとの認識が、日本国民の間で高まっていることの反映だ」と説明。高市氏が台湾有事を日本の存立危機事態になりうると明言し、習近平と真正面から対峙した姿勢が、国民の支持を集めたと分析した。3月19日に予定される訪米にも触れ、日米同盟の「潜在力は無限大」とする高市氏の発言を好意的に紹介している。
しかし、こうした論調に読者は必ずしも同調していない。
ある読者は、
「トランプに日本が侮辱され、関税をかけられた直後に、今度は右傾化を称賛して『日米協力の余地が広がった』? そんな政治を進めるべきなのか。
我々(米国)の言う通りにする限り報酬がもらえる? トランプ支持者なら? 吐き気がする論評だ」
と批判し、「日本では、あの無作法な象(トランプ)を忘れていない」と付け加えた。
別の読者は、憲法改正の可能性を歓迎する論調に対し、
「なぜ日本国憲法で平和主義が強調されているのか、分かっているのか。あれを書いたのは、我々だ」
と指摘し、戦後秩序への歴史的無自覚を突いた。
さらに、
「そうだ!軍事費に金をつぎ込め! 我々のようになれ! ワシントンポスト編集委員会は歴史感覚がない」
といった皮肉の声もあった。
より踏み込んだ日本側視点の批判も見られる。
「アメリカは関税の脅しで日本から550億ドルを奪い、米国製兵器の大量購入を強要してきた。高市の強硬姿勢が招く“中国の脅威”など、トランプの脅威に比べればはるかに小さい」
とした上で、
「これは日本人にとって“非常に悪いニュース”だ。ワシントンポストは今やトランプ支持紙なのか?」
と疑問を投げかけた。
このほかにも、
- 「残念だ。トランプの国家安全保障戦略は、東アジアを習近平の勢力圏として明け渡すことだ」
- 「時々トランプに中指を立ててくれるなら、彼女は立派な日本の指導者だと思うよ」
といったコメントが投稿されている。


