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「中国共産党の国策プロパガンダのよう」――『メラニア』に批評家の集中砲火

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DT phots1/shutterstock

今週公開されたドキュメンタリー映画『メラニア』に対し、欧米の主要メディアで酷評が相次いでいる。

バラエティ』誌のチーフ映画評論家オーウェン・グレイバーマンは、レビューの冒頭で本作を「まったく生命感のないドキュメンタリー」と断じた。さらに、すべてが作為的に演出されており、「恥知らずなインフォマーシャルにすら達していない」と切り捨てている。

グレイバーマンによれば、メラニアの個性がかすかに感じられる場面はごく限られているという。衣装のデザインを調整し、就任式招待状の封筒の色を選び、皿や花、グラスについて意見を述べる―― しかし、それらでさえも結婚式の準備をしているかのように過剰に「祝賀的」に描かれ、「1960年代の中国共産党の国策プロパガンダを思わせる」と批判した。

また、作品は政治要素を意図的に避けているように見えるが、「徹底して明るく統制された雰囲気の中に不気味に潜んでいる」と指摘。そのうえで、本作は現実を排除することで成り立つトランプ体制の統制そのものを映し出している、と結論づけている。

英紙『インディペンデント』のチーフ・クリティック、ニック・ヒルトンもまた辛辣だ。彼は本作について、「空疎と呼ぶのもためらわれるほど、中身のなさが際立つ」と評した。

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ヒルトンは、メラニアが作中で自らを母、妻、娘、友人と名乗る一方で、実際に描かれるのは「鏡の前で身なりを整え、しかめ面をする姿ばかり」だと指摘する。さらに、「彼女の言葉はどれも退屈な金言にすぎない」とし、「『家族と愛する人を大切に』と語る様子は、まるで観客がそれまで家族を軽蔑して生きてきたかのような調子だ」と皮肉った。

社会的・政治的現実との乖離についても、ヒルトンは厳しく言及している。
「アメリカ全土の街がいまだ怒りと悲嘆に覆われ、国が取り返しのつかない分断の瀬戸際にある今、この金メッキに覆われたトランプ家の生活は、ケーキに囲まれたマリー・アントワネット、あるいは略奪したモネの絵を見上げるヘルマン・ゲーリングのようだ」と評した。

さらにヒルトンは、Amazonが4,000万ドルを投じ、そのうち2,800万ドルがメラニア本人に支払われたとされる本作を「一部はプロパガンダであることは確かであり、一部は巨大テック企業が継続的な規制承認を得るためのご機嫌取り」と分析する。そのうえで、「そうした背景を差し引いても出来は酷い」と断じ、「『國民の創生』や『意志の勝利』のように、アメリカ人が自ら進んで政治経済の寡頭支配に服従した時代を象徴する遺物として残るだろう」と予測した。

『メラニア』は、昨年1月のトランプ大統領就任式を含む20日間を追ったドキュメンタリー作品だ。29日には首都ワシントンのケネディ・センターでプレミア上映が行われ、トランプ大統領とメラニアも出席した。同日には全米20都市で支持者向けの追加上映も実施されている。30日からは全米約1,500スクリーン、海外約1,000スクリーンで一般公開が始まった。

なお、ロッテントマトの批評家スコアは現時点で7%と、ほぼ全員が否定的な評価を示している。CNNのアナリストによれば、予測市場ではこのスコアが最終的に20%を下回る可能性が70%を超えているという。