「メインキャラでいたい」元側近が語るトランプ氏のイラン政策転換の動機

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Phil Mistry/shutterstock

第1期トランプ政権で国家安全保障問題担当大統領補佐官を務めたジョン・ボルトン氏は、イスラエルによるイラン攻撃に関してトランプ氏が態度を変えた理由について、主役でいたいからだと指摘した。

ドイツのメディアのインタビューでボルトン氏は、「トランプ氏はイスラエルが攻撃を開始したタイミングに驚いたと思う」と述べた上で、「(攻撃開始の翌日である)金曜日には、トランプ氏はイスラエル支持を表明した。攻撃は成功し、株式市場も上昇した。自分がパレードに置いていかれてはならないと感じ、再び前面に立ちたくなったのだろう」と語った。

さらにボルトン氏は、「ハメネイ師を倒すための戦略的な計算があったわけではない」とも主張し、「このドラマの主役はネタニヤフ首相ではなく、自分がメインキャラクターに再びなろうとしているのだ」と付け加えた。

トランプ氏はもともと、海外の紛争の早期終結と不介入を掲げて当選し、イランの核開発問題についても交渉による解決を優先してきた。イスラエルの軍事計画には懐疑的な姿勢を見せていたが、60日間の交渉期限が切れた直後にイスラエルが攻撃を開始すると、態度を一変させて支持を表明し、さらに直接介入の可能性を示唆するなど、急速に方針を転換している。

CBSニュースによれば、トランプ氏はすでにイラン攻撃計画を承認しており、イスラエルの攻撃に加わるかどうか最終決定の段階にあるとされる。

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近年トランプ氏と対立しているボルトン氏は、イラン強硬派として知られる。イスラエルによる攻撃の正当性については、中東諸国がイランの核保有とテロ支援に反対していることから、イスラエルの軍事行動は正当化できるとネタニヤフ首相を擁護。さらに、10月7日のハマスの急襲を指してイランが開始した戦争だとも主張した。

また、先制攻撃や予防戦争であっても、イスラエルには核の脅威から国民を守る自衛の権利があると主張。現代の戦争は数分で壊滅的な被害をもたらすため、国際ルールは現実に即していないとし、いかなる国も攻撃されるまで待つ必要はないと述べた。さらに、イランが過去30年間にわたって弾道ミサイルと核兵器の開発を続けてきたこと自体が、今回の攻撃を正当化する十分な理由になると語った。