NY市、アジア人女性が突き飛ばされ負傷。女優オリヴィア・マンが非難

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ニューヨーク市クイーンズで16日、アジア人女性が男に突き飛ばされ、負傷する事件があった。

abc7NYによると午後2時前、フラッシングのルーズベルトアベニュー沿いにあるベーカリーで、容疑者の男は、外に並んでいた女性(52)と口論になったのち、暴行を加えた。
ニューヨーク市警察は18日、パトリック・マテオ(Patrick Mateo)容疑者(47)を逮捕したと発表した。

監視カメラの映像には、女性にダンボール箱を投げつけた後、突き飛ばす様子が映っている。女性はメタル製のニューススタンドのボックスにぶつかり、額を10針縫うけがを負った。
目撃者は「男はコーヒーショップから顔をのぞかせた後、女性に暴言を吐いた。突然店から出た後に、スプーンの入った箱を投げ、地面に突き飛ばした」と語っている。

ニューヨーク市警察(NYPD)は、赤いフードにグリーンのジャケット、グレーのパンツを履いた容疑者の写真を公開し、情報の提供を呼びかけていた。現在のところ、憎悪犯罪として扱っていないという。

『X-MEN: アポカリプス』などに出演の女優オリヴィア・マンさんは、被害者は母親の友人だとして、SNSで情報提供に対する協力を求めた。

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マンさんは先週もSNSで、パンデミック後に米国でアジア人に対する憎悪犯罪が急増したと述べ「ストップ・アジアン・ヘイト」を呼びかけている。
「カリフォルニア州サンフランシスコで84歳のタイ系アメリカ人が殺害された」ほか、オークランドでは91歳のアジア人、サンノゼではベトナム系の女性が暴行を受け、マンハッタンではフィリピン系がナイフで切りつけられた説明している。

同日にアジア人への無差別暴行

ニューヨーク市では16日、地下鉄で71歳と68歳のアジア人女性が、顔を殴られるなど無差別暴行事件が発生した。NYPDは、容疑者は同一人物ではないとみて捜査を進めている。

昨年ニューヨーク市では、アジア人への憎悪犯罪は29件報告されている。そのうちの24件は新型コロナウイルスに関するものだという。

アジア系アメリカ人弁護士会ニューヨーク(AABANY)の最新の報告書「COVID-19中のニューヨークにおけるアジア系アメリカ人に対する憎悪と暴力の増加」によると、2020年2月から5月の間、ニューヨーク市人権委員会には新型コロナに関連する憎悪事件は389件寄せられた。145件は反アジア人に関するもので、全体の37%にあたる。