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ウィル・スミス「平手打ち」米連邦通信委員会に苦情 制裁求める声も

アカデミー賞授賞式の生放送中にウィル・スミスがプレゼンターを「平手打ち」した問題について、通信・放送分野の行政を司る米連邦通信委員会(FCC)に、視聴者から数多くの非難の声が寄せられたという。

The Hillによると、情報開示法に基づいて入手した66件の苦情の中には「精神的ショックを受けた」「その日は眠ることができず、子供も怖がっていた。気持ちを落ち着かせるために薬を服用しなければならなかった」「リビングルームで映像が流れ、不快だった」「子供から、なぜ彼は殴ったのかと尋ねられた」といった声や「子供向きの番組ではなかった。生中継で暴力的な場面があるのであれば、放送を許可するべきではない」と放送を制限するべきとの意見が寄せられた。

このほか、授賞式を放送したABCやウィル・スミスに対して「責任を取るべき」とする声や、2004年スーパーボウルのハーフタイムショーで起きたトラブルを引き合いに出して、罰金などの制裁を科すべきとの意見もあった。ハーフタイムショーでは、ジャネット・ジャクソンの胸が露出するというハプニングが発生。FCCには54万件以上の苦情が寄せられ、同委員会はCBSとMTVに55万ドルの罰金を科した。(その後、罰金の支払いは裁判で無効となった)。

「われわれの社会は”まひ”しており、犯罪に対する説明責任を果たさなくなってしまった」と社会風潮を憂う声、「米国人がこの酷いゴミを2度と見なくてすむよう」オスカーの”キャンセル”を求めるコメントもあった。

事件の発端は?

問題が起きたのは、長編ドキュメンタリー賞のプレゼンテーターとして登壇したクリス・ロックが、ウィル・スミスの妻ジェイダ・ピンケット・スミスに向かって「G.I.ジェーン2を見るのを待ちきれないよ」とジョークを飛ばした際。ジェイダは脱毛症に悩んでおり、これをネタにされたことに腹を立てたウィル・スミスは、ステージを歩き進んで、ロックに豪快なビンタをお見舞いした。席に戻った後も、Fワードまじりに「妻の名を口にするな!」と繰り返し叫んだ。

映画界の最高峰、アカデミー賞授賞式は、約200カ国を超える国々で放送されている。米国の放送はFワードなどが消されるなど、瞬時に検閲されたが、海外の多くの国ではそのまま放映された。

映画芸術科学アカデミーは28日、ウィル・スミスの行為を「許容できない、有害な振る舞い」と断じ、「非難する」と表明。30日に発表した声明で、アカデミーの行動規範違反による懲戒手続きを開始したと明らかにした。4月18日に開催されるアカデミーの理事会で懲戒処分に処すことを決定した場合、資格停止や追放、その他の制裁を科される可能性があるという。

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