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「ナルシストの狂人による、有害な男らしさ」コメディアンがウィル・スミスを非難

俳優のウィル・スミスは第94回アカデミー賞授賞式の生放送中、妻で女優のジェイダ・ピンケット・スミス(Jada Pinkett Smith)の容姿をジョークにしたコメディアンのクリス・ロックに激怒。ステージ上で平手打ちした上、「妻の名を口にするな!」とFワード混じりに罵った。

これに対し、ジャーナリストや業界人から批判の声が相次いでいる。

NBCニュースで特別司会などをつとめるジャーナリストのマリア・シュライバーは「愛は暴力ではない」と非難。世界中に放送されているテレビで、映画スターが暴力を振るい、その後、愛について語る姿にスタンディングオベーションを送っているのを見るのは、不適切だと述べた。

トランプ氏に批判的なことでも知られるコメディアンのロージー・オドネル(Rosie O’Donnell)は、シュライバー氏に賛同を示し、トランプ時代と同様、誰も責任を取らないだろうと述べ、業界とウィル・スミスは「恥を知れ」と非難した。

さらに、ウィル・スミスの行為は「ナルシストの狂人によるトキシック・マスカリニティ(有害な男らしさ)の惨めな表れ」と痛烈に批判した。

ウィル・スミスは「ドリームプラン」(King Richard)で女子テニスのウィリアムズ姉妹を育てた父親、リチャード・ウィリアムズ氏を演じ、初めて主演男優賞を獲得した。受賞スピーチでは、暴力を振るったことに対し、アカデミーと他の候補者に謝罪。リチャード氏が家族を守ったことと重ね合わせながら、「愛はあらぬ事をさせる」と反省の弁を述べた。

この釈明に対し、ジャーナリストのE・ジーン・キャロル氏は「暴力を振るわれたすべての女性は、その言葉を聞いたことがある」と指摘し、ウィル・スミスの行為は、妻のジェイダさんを傷つけたと述べた。

E!ニュースによると、アカデミーは28日、ウィル・スミスの暴行を非難した上、「事件に関する正式な調査を開始する」と発表。アカデミーの定款や行動基準、カリフォルニア州の法律など従った結果、さらなる措置を検討する可能性を示唆した。

ロサンゼルス市警察は、授賞式の最中に起きた事件を認識しているとしつつも、「関係者は、被害届けを提出するのを拒んだ」とニューヨークポスト紙に回答している。

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