ジャックリード上院議員(民主党・ロードアイランド州)は24日、米連邦取引委員会(FTC)に宛てた書簡で、卵の価格高騰に関して捜査を求めた。
昨年12月の全種類の卵の消費者物価指数は、前年に比べて60%上昇。労働統計局のデータによると、店頭で最も多く販売されるGrade Aの卵の1ダースの平均値段は4.25ドルで、前年同月の1.79ドルから138%上昇した。

あまりの変動ぶりに、最近ネットでは、卵を宝石ケースに入れた画像など、高値をなげくミームが数多く投稿され、話題となっている。
I guess eggs are scarce rn… pic.twitter.com/jttsDjYWo6
— 🏳️⚧️Girl named Jeremy🏳️⚧️U.S. Navy (Ret.) (@NikolaiLantsov3) January 17, 2023
エコノミストの間では、価格変動の主な原因を鳥インフルエンザのアウトブレークに求める声が多い。農務省によると、2022年初めに始まった鳥インフルエンザのアウトブレークは史上最悪とされ、47州で約5,800万羽の家禽が死亡している。
これに対して、上院歳出労働・保健福祉・教育・関連機関小委員会のメンバーのリード議員は書簡で、業界大手による「価格つりあげ、または欺瞞的行為」の可能性があると主張。
農務省の観測では、価格上昇は、鳥インフルエンザによる「生産量の減少よりもはるかに大きい」と述べたほか、鶏卵用鶏は平年より6%しか低下していないと指摘した。一方で大手企業は価格高騰の緩和に向けた増産の取り組みを怠っていると非難した。
卵の生産・販売最大手のカルメイン・フーズの業績にも言及。直近の四半期決算で、前年同期の1,680万ドルの赤字から一転して、3億2,300万ドルの過去最高益を計上しており、利益率も前四半期比でマイナス2.4%から22.3%へと大幅に上昇しているとした上で、価格釣り上げの可能性があると主張した。
この5日前には、農業政策に関する提言を行う団体「ファーム・アクション」もFTCに書簡を送り、卵業界を調査し、「反トラスト法違反があれば起訴し、最終的にはアメリカ国民にお金を取り戻すよう」求めたことを明らかにした。
リード議員と同様、鳥インフルエンザのアウトブレークの影響は「明らかに軽微」であるとし、「支配的な卵生産者の3倍以上の値上げを正当化するものはない」と主張。カルメイン・フーズをはじめとする大規模生産者は「必需品に対する課税のようなものを通じて、生活者から数十億ドルをゆすり取っている」と非難した。
CNBCによると、一連の批判に対してカルメイン・フーズの副社長兼最高財務責任者のマックス・ボウマン氏は、米国の卵市場は「競争が激しく、通常の状況下でも非常に不安定 」としつつ、鳥インフルエンザが鶏の供給に重大な影響を及ぼしたことが、価格高騰の最も顕著な要因だと説明。これに加えて、飼料や労働力、燃料、包装といったコストが「大幅に上昇」し、全体的な生産コストの上昇、ひいては卵の卸売・小売価格の上昇を招いたと述べ、同社は消費者に卵を直接販売しておらず、小売価格を設定してはいないと反論を加えた。