プーチン大統領の「雌オオカミ」の異名をとる女性将校がウクライナのミサイル爆撃で死亡した。ロシアの女性将校が死亡するのは、戦闘開始以来初めてだという。
死亡したのはオルガ・カチュラ中佐(52)。ロシアのタス通信によると3日、東部ドネツク州の都市ゴルロフカとヤシヌヴァタ間の幹線道路を車で移動中に爆撃を受けた。死亡はゴルロフカ市長が明らかにした。
The Ukrainian military eliminated the well-known terrorist Olga Kachura, known under the call sign Korsa,”
— Ukrainian News24 (@MarkRid89403375) August 3, 2022
— journalist Denys Kazanskyi said pic.twitter.com/wcjGbEaQzY#UkraineRussiaWar #UkraineWillWin
デイリーメールによると、カチュラ氏は、同州を実効支配し、プーチン氏が2月に独立を承認したドネツク人民共和国(DPR)で砲兵師団を率いていた。民間人に対する砲撃を行ない、ロシア政府のプロパガンダ番組でウクライナ人の殺害を楽しんでいるなどと、自慢したこともあったという。
ウクライナ軍によると、カチュラ氏は、ウクライナ軍の信用を失墜させる目的で、ウクライナ軍の一員に扮して戦争犯罪を画策したことがあった。さらにドンバスで砲撃を行い、民間人を殺害したことで、昨年、欠席裁判により懲役12年の実刑判決を受けていたともいう。
カチュラ氏はウクライナ生まれで、ゴルロフカの警察局で捜査官を勤めていたが、2014年に始まったドンバス戦争の後、プーチンを後ろ盾とする分離独立派に加わった。
DPR軍では、第1工兵隊の第3独立自動車化狙撃旅団に所属し、グラート・多連装ロケットシステム師団で、140人の砲手を指揮下に置いていたという。
二人の母親であり、これまでに戦闘で複数回負傷したことがあったという。軍務で発揮した勇気と英雄的行為に対して、プーチン氏から、ロシアの最高の栄誉称号である「ロシア連邦英雄」を贈られている。
先月、ロシア軍のアナスタシア・サヴィツカヤ氏が、女性兵士として初めて死亡した。先週は、このほかに二人の将校が死亡したといい、ロシア軍が失った将校はこれまでに97人に上るという。