2日間で未確認物体2機を撃墜、これまでにわかっていること

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過去2日間で北米上空を2つの未確認物体が通過し、米軍機によって撃墜された。先週は北米大陸を横断し、大西洋岸に到達した中国の偵察気球を撃ち落としている。

一つ目の物体について、国防総省は金曜日、アラスカ北部沿岸で「民間機の脅威となる高高度物体」を戦闘機F-22が撃墜したと発表した。

物体は9日に北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)の地上レーダーに捉えられ、航空機が派遣された。パイロットは無人であったと確認している。民間機の空域と重なる4万フィート上空を飛行しており、10日午後1時45分(東部時間)にバイデン大統領が撃墜を命じた。

撃ち落とされた物体は、アラスカ沿岸の海氷に落下し、アメリカ北方軍が、アラスカ州空軍と連邦航空局、FBIの協力を得て、回収作業に着手した。大きさは小型車ほどで、先週の中国の偵察気球と似ても似つかないとしている。

国家安全保障会議のジョン・カービー氏は、物体は「自己操縦していないようだった」と説明した。先週の中国気球については、一定の自己操縦性を有していた可能性があると伝えられている。

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国防総省のライダー報道官によると、アンカレッジのエルメンドルフ空軍基地から2機のF-22が飛び立ち、AIM-9X「サイドワインダーミサイル」を1発発射した。

アメリカ北方軍は11日に発表した声明で、海氷上の回収作戦は現在も続いており、冷たい風や雪、限られた日照時間といった北極圏の気象条件が「要因」となり、作業員は、安全の確保ために回収作業を調整しているとした。物体の能力、目的、起源などの詳細は未だ不明だとしている。

11日午後には、カナダのジャスティン・トルドー首相が、カナダ領空を侵犯した未確認物体の撃墜を命じたと発表した。

トルドー氏は、カナダと米国の航空機が緊急発進し、米国のF-22がミサイル発射に成功したと説明。場所は北西部のユーコンだとしている。バイデン大統領と協議をしたと明かし、今後カナダ軍が残骸の回収、分析をする予定だと述べた。