「非常に不誠実」トランプ前大統領 デサンティス氏に敵意

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トランプ前大統領が28日、ニューハンプシャー州とサウスカロライナ州の2州で集会を開催。2024年の大統領選に向けた活動を本格始動するとともに、共和党のライバルらの動きを牽制した。

昨年11月の大統領選出馬表明以降、トランプ氏が大規模な集会を開くのは初めて。28日、ニューハンプシャー州での会合を終え、サウスカロライナ州へ向かう機内でトランプ氏は、同行した記者らのインタビューに応じた。その中で「ロン(デサンティス氏)は私がいなければ知事にはなれなかった」と、対抗馬として有力視されるフロリダ州のロン・デサンティス知事に言及。「彼が出馬するというなら、とても不誠実だと思う」と攻撃した。

CNNによると、デサンティス氏が保守派の間で全国的な名声を獲得する原動力となったフロリダのコロナ対策にも触れ、「州を閉鎖しなかった共和党の知事もいる」「フロリダは長期間閉鎖していた」と指摘。ワクチンに関して「ずいぶん態度を変えた」と述べ、「歴史を書き直そうとしている」と批判した。

同じく有力候補と目される元サウスカロライナ州知事で元国連大使のニッキー・ヘイリ氏にも言及した。ヘイリー氏は2021年の時点で「トランプ氏が出馬するなら、私は出馬しない」と話していたが、今月のFOXニュースのインタビューでは「私は選挙に負けたことはないし、今もそうだと言える。見ていてください」と、大統領選出馬に前向きな様子をほのめかしていた。

トランプ氏はこれを念頭に、ヘイリー氏とは「少し話をした。『思うようにすればいい、出馬したいと思うなら』と助言した」とし、選挙戦で敵対することもいとわない構えを見せた。その上で「彼女は公に『大統領と対峙するなら出馬しません。彼は素晴らしい大統領でしたから』と言っていた」と牽制した。

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なお、デサンティス氏もヘイリー氏も、未だ正式には出馬を表明していない。

ニューハンプシャー州もサウスカロライナ州も、党の候補者指名争いで序盤に投票が行われるキーステート。両州の結果はその後の選挙戦の流れに大きく影響する。

全米規模の主な世論調査では、軒並みトランプ氏がデサンティス氏を支持率でリードしているが、ニューハンプシャー州では、今回の集会に先駆けて行った最新の調査で、デサンティス氏がトランプ氏を12ポイント上回った。

なお、トランプ氏は早くからデサンティス氏を意識しており、昨年11月の中間選挙の直前、共和党候補の応援演説と称した集会で、「我々は共和党の候補者指名争いで、誰も見たことのないくらいデカく勝っているぞ」と、2024年の次期大統領選に言及。モニターに出馬が予想される共和党候補のリストが表示されると、トランプ氏は「ほらこのとおり。トランプ71%、ロン・デサンクティモニアスは10%だ」と、支持率を読み上げながらデサンティス氏の苗字をsamctimonious(「聖人ぶった」「偽善的」を意味する語)とかけた新たなあだ名を披露。対抗意識を伺わせていた。