米軍、グアンタナモ収容所の秘密施設を閉鎖へ

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米国南方軍は4日、キューバ・グアンタナモ湾米軍収容所の「キャンプ7」のすべての収容者を「キャンプ5」に移したと発表した。

移動の結果、40人の収容者が3つから2つの施設に「統合」されることで、オペレーションのコストを抑えつつ、運営効率と有効性が高まるとしている。

キャンプ7は「ブラックサイト」と呼ばれるCIAの秘密拘束施設の抑留者を収容するために2006年に開設した。ニューヨークタイムズによると、米同時多発テロ事件を首謀したと自白したハリド・シェイク・モハメド(Khalid Sheikh Mohammed)被告や、CIAに最初に水責めを受けたアルカイダのアブ・ズベイダ(Abu Zubaydah)容疑者、2000年のミサイル駆逐艦「コール」襲撃事件を画策したサウジ人、アルカイダのクーリエを務めたとされるマジド・カーン(Majid Khan)容疑者らが収容されている。ブラックサイトでは抑留者らに対して、残虐な手法による過酷な尋問が行われた。

軍は長らくキャンプ7の場所を認めることさえ拒否していた。ジャーナリストは一度も足を踏み入れたことがなく、弁護士は訪問に際し、裁判所の命令の取得を求められた。ニューヨークタイムズは昨年、施設の荒廃が深刻で、解決策として、軍は収容者を移動させることを検討していると報じていた。

南方軍の報道官、グレゴリー・マケルウェイン少佐は同紙の取材に、統合にかかる費用について答えを避ける一方、移動により、9カ月単位で任務に従事する、主に州兵からなる1,500人の軍隊の削減につながると説明している。これらの任務に関する費用は、囚人一人当たり年間130万ドルに上るという。

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バイデン大統領はグアンタナモを閉鎖する意向を示している。AP通信は、収容者を米国に移して審理または投獄するには、議会の承認が必要になると指摘している。