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「プーチン版」歴史解説を在ウクライナ米大使館がミームで反論

21日、プーチン露大統領は、ウクライナ東部の新露派2地域の独立を承認する大統領令に署名。その後「平和維持」と称し、両地域への軍の派遣を指示したと伝えられた。これに先立つテレビ演説で、「ウクライナはロシアが創った」「ウクライナは真の国家であったことは一度もはない」と、軍事行動の正当化ととられる発言をしたが、これに在キエフ米大使館がミームで反論した。

大使館はツイッターで、10~11世紀にキエフに建てられた宗教施設4枚の絵画および画像を投稿。各施設の下に、鬱蒼とした森林に「モスクワ」と書いた画像を並べて、プーチン氏の間違いを正した。

プーチン氏は演説中、「近代のウクライナは、完全にロシアが、具体的にはボリシェビキ、共産主義ロシアによって創られた」と主張。「この手続きは、事実上、1917年の革命直後にはじまった」「ボリシェビキ政策の結果として、ソビエト・ウクライナが生まれた。今日でも、ウラジーミル・イリイチ・レーニンのウクライナと呼ぶことができる」と説明。ウクライナでレーニン像が破壊されていることに触れた上で、「脱共産化をしたいのか?」と述べ、「真の脱共産化がウクライナに何を意味するのか、お見せする準備がある」と、軍事行動の可能性を示唆した。

プーチン氏の発言について、ニューヨーク大学のジョシュア・タッカー政治科学教授はニューヨークタイムズの取材に「ウクライナには、主権国家に関連する権利を持つ資格がない」と主張するための下地作りだと説明。「ウクライナに対する軍事介入は、他国の主権の侵害に当たらないと主張する意図があることを示したもの」と語った。

イェール大学のティモシー・スナイダー歴史学教授は、MSNBCのインタビューで、プーチン氏の説明を「現実離れ」と批判。「遠くの暴君が、(ウクライナの歴史について)存在しないことを宣言するのを聞くのは奇妙だ。明らかに間違い」と語った。

スナイダー氏は、ウクライナの国民運動は、ソビエト連邦が始まる100年前にすでに存在しており、ウクライナの歴史の要素は、中世にまで遡ると解説。「他の国家が存在しないという、この種の言動は注意しなければならない。通常は非人道的な行動の前触れだ」と警戒を示した。

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