英国のスナク首相は14日、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談を行ったとし、軍事および外交的支援を加速させる必要性に同意するとともに、「チャレンジャー2」主力戦車や追加の攻撃システムを提供する意向を伝えたと発表した。

これまで、ポーランドやチェコなどが、ソ連製の戦車約300台を送っているが、ヨーロッパ各国ともに、西側で製造された重戦車の供給を控えてきた。先日、ポーランドはドイツ製のレオパルト戦車を供与する計画を示したが、ドイツによる承認が必要と報じられている。

チャレンジャー2の供与について、台数などの詳細は明らかにされていない。発表に先立ち、4台を直ちに東ヨーロッパに輸送し、これに続いて8代を追加供給する計画が報じられていた。

ゼレンスキー大統領は同日、ツイッターで謝意を示すとともに、他の支援国にサインを送るにことになると期待を示した。

一方、ロシア側は、戦車の供給は紛争を激化させると反発。ロンドンにあるロシア大使館は「敵対を終わらせるどころか、戦闘作戦を激化させ、民間人を含む負傷者を生み出すだけだ」と警告した。

チャレンジャー2とは

チャンレンジャー2は、1994年に英国陸軍に導入された主力戦車で、これまでにボスニア・ヘルツェゴビナ、コソボ、イラク等の戦地で使用された。現在、バルト海諸国におけるNATOの前方プレゼンス強化の一環で、エストニアに多数配備されているという。

テレグラフによると、チャレンジャー2の全長は8.3m、重量は62.5トン。120mmライフル砲と7.62mmチェーンガン、7.62mm機関銃といった兵器を備える。クルーは司令官、砲手、装填手、運転手の4人。

↓英陸軍が昨年5月に公開したフィンランドにおける合同演習の様子

T-72戦車など、ソ連時代に開発されロシアがウクライナで使用する戦車と交戦することを念頭に設計されており、装甲の保護性能は、T-72の直接攻撃にも耐えられるという。導入以来、光学系や保護装置、兵器の強化が繰り返しはかられている。

装甲の構成は明らかにされておらず、ウクライナへの供与によって、高度な軍事機密がロシア側の手に渡る可能性を心配する声も上がっている。ただし、スカイニュースによると、英国陸軍は、チャレンジャー2は「敵の手による損失を一度も経験していない」としている。