トランプ氏 弾劾裁判の新弁護団を発表

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トランプ前大統領は31日、デイビッド・ショーン氏(David Schoen) とブルース・キャスター氏(Bruce L. Castor Jr)が弾劾裁判で弁護団を率いると発表した。

前日、弁護団を構成する予定だった5人すべての弁護士が離脱したと報じられていた。このうちのブッチ・バウワー氏(Butch Bowers)とデボラ・バービアー氏(Deborah Barbier)について、CNNは、離脱は「相互の判断」によるものと伝えている。バウワー氏は弁護団長として、チームを組織していた。

最近チームに加わったノースカロライナ州の弁護士、ジョン・ハワード(Josh Howard)氏も離脱し、サウスカロライナのジョン・ギャサー(Johnny Gasser)氏とグレッグ・ハリス(Greg Harris)氏も裁判にすでに関与していないことが明らかになった。

事情に詳しい人物は、離脱の理由について、裁判の戦術を巡ってトランプ氏と弁護士の意見が食い違ったためだと話した。トランプ氏は、弾劾の合憲性を問うよりも、選挙で大規模な不正があったと主張することを望んだという。

今回の発表は、選挙不正について触れられておらず、ショーン氏とカスター氏ともに「弾劾が違憲であることを同意している」としている。

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先週、上院では、大統領が既に退任していることから、弾劾裁判の実施は違憲であるとして、手続きの停止を求める動議が提出された。採決の結果、賛成45、反対55で否決された。共和党からはスーザン・コリンズ、リサ・マーコウスキー、ミット・ロムニー、ベン・サッシー、パット・トゥーミー議員が反対に回った。

6日の議事堂襲撃事件に関連し、下院は13日、「暴動を扇動」したとして、トランプ氏を弾劾訴追する決議案を可決した。与野党のリーダーは、弾劾審理を2月8日以降に開始することで合意している。

デイビッド・ショーン氏 エプスタイン氏が依頼していた

今回弁護団に加わったデイビッド・ショーン氏は2019年8月、ジェフリー・エプスタイン被告が自殺する10日前に、同氏と面会していた。エプスタイン氏はショーン氏に、主席弁護人を引き継ぐよう要請していたという。

死亡から6日後、ニューヨーク市検視局長は死因を首吊りによる自殺と断定したが、ショーン氏はその後しばらく、他殺説を支持していた。

昨年3月、Fox Nationで「自殺だと思わないと私が言うのは、この時の彼とのやりとりからだ。あの日とそれ以前の数週間、私に来るよう願ったのは、私に弁護を引き継ぐよう要請するためだった」と語っていた。

エプスタイン氏は2019年7月、2000年代前半に複数の少女に対する性暴力やセックストラフィッキングをした疑いで拘束され、起訴された。エプスタイン氏はビル・クリントン元大統領やトランプ大統領など、大物とつながりがあることで知られる。性取引の相手には、ヨーク公アンドリュー王子、ビル・リチャードソン元米国連大使、ハーバード大学ロースクールのアラン・ダーショウィッツ教授などの名が、被害者の証言から浮かんでいた。

これら多くの署名人とのつながりから、死亡報道の直後から、口封じのために殺されたのではないかとの陰謀説がネットで多く拡散されていた。トランプ大統領も、ビル・クリントン元大統領の関与を匂わせるツイートをリツイートし、民主党議員から多くの非難を浴びていた。