首都ワシントンのトランプホテル、3月4日の宿泊料3倍に。Qアノン支持者にトランプ氏再就任の噂広がる

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JL IMAGES / Shutterstock.com

ホワイトハウス近くにあるトランプ・インターナショナル・ホテルが、3月4日の宿泊料を普段の3倍近くに引き上げていることがわかった。

奇しくも、バイデン大統領の就任式後、Qアノン陰謀論の支持者の間では、3月4日にトランプ氏が大統領に再び就任するといったデマが広がっている。

トランプ氏のビジネスをモニターしているZach Everson氏によると、この時期の典型的な宿泊料は476ドルから596ドルだという。

現時点のレートはキングサイズベッド1台のデラックスルームで1,331ドルから1,545ドルとなっている。

Qアノン支持者らによるトランプ氏再就任の考えは、過激思想のソブリン・シチズン運動(Sovereign citizen movement)と関係しており、専門家の間では過激主義との結びつきを懸念する声が上がっている。

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名誉毀損防止同盟(Anti-Defamation League 略称:ADL)によると、ソブリン・シチズンは1970年代に始まった反政府過激主義運動。1860年代に政府に陰謀が広がり、法律が密かに専制的な法に置き換えられ、「正当」な政府が、人々を奴隷とする違法な「事実上」の政府にとって変わられたと主張している。運動の信奉者は、「主権」を宣言し、以前の政府に戻ることができると信じており、その後は「事実上」の政府は彼らに対して権力を行使できないと考えている。結果、支持者らは税務当局や裁判所、法執行機関に従う必要はないと考えているという。

FBIは2010年、ソブリン・シチズンは新たな国内テロの脅威だと発表している。

このほか、Codaは、ソブリン・シチズン運動の信奉者は、1871年に成立した法律によって米国は国家ではなく企業に変わった考えており、さらに金本位制が廃止された1933年以降、国は影の投資家グループによって運営されていると考えていると説明している。

現在、Qアノン支持者の間では、ソブリン・シチズン運動の考えを援用して、ユリシーズ・グラント第18代大統領(1869年-1877年)以降の大統領は違法で、トランプ氏が3月4日に第19代大統領に就任するといった新たな陰謀説が広がっている。(修正第20条が1933年に批准される以前、大統領就任式は3月4日だった)

陰謀論リサーチャーのトラビス・ビュー氏が共有した動画で、ある女性は「トランプ氏は回復された共和国において、3月4日に大統領に第19代就任する」と主張。「あなたはアメリカ合衆国と呼ばれる国に生活していると信じているが、この国は、国家であることをやめて、ロンドン市に属する企業になった1871年以降存在していないのだ」と話している。