米連邦地裁 トランプ陣営元外交顧問ジョージ・パパドポロスに実刑判決

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首都ワシントンの連邦地裁は7日、2016大統領選挙中にトランプ陣営の外交顧問であったジョージ・パパドポロス氏(George Papadopoulos)に対し、禁錮14日間と罰金9,500ドルの判決を言い渡した。パパドポロス氏は昨年7月に身柄を拘束され、選挙スタッフとして初めて罪を認めていた。

検察は、パパドポロス氏が2017年1月の事情聴取で偽証したことにより、ジョセフ・ミフスド(Joseph Mifsud)教授が米国滞在中に身柄を拘束する機会を阻害したなど、捜査にダメージ与えたとして最大6ヶ月の実刑を求めていた。ミフスド教授は、ロンドンを拠点とする大学教授で、ロシアがヒラリー・クリントン氏に不利となる数千通のメールを所持しているという情報をパパドポロス氏に伝えた人物とされる。パパドポロス氏は教授との接触をキャンペーン前と時期を偽ったほか、彼らとの会話の重要性や、「教授」のコネクションを通じてトランプ陣営とロシア政府高官とのミーティングを設けようとした試みについて偽りの証言行ったとして罪に問われていた。

パパドポロス氏の弁護側は、8月31日に裁判所に提出した意見書で、パパドポロス氏は逮捕後すでに13ヶ月間観察下に置かれていることから、1年間の執行猶予を過ごしたことに相当すると考えを述べ、恩赦を求めていた。また、意見書で弁護側は、パパドポロス氏が「国家安全保障に重大な懸念を投げかける捜査」で偽証をしたことは「恥ずかしく、残念である」としつつ、偽証は捜査を妨害するためではなく、トランプ陣営への忠誠心と政府職員の一員になりたいという願望のためであったと、述べていた。

意見書には、パパドポロス氏と教授の関係や偽証にいたる過程について詳細が語られている。
パパドポロス氏は2016年3月のイタリア旅行中にミフスド教授と出会い、この時、同教授がロシア政府とつながりがあることを知らされた。その10日後に再びロンドンで会った際、教授はプーチン大統領の親戚と名乗るオルガ(Olga)という女性を紹介した。トランプ陣営はロシアとの関係改善を政策に謳っており、同月末日にトランプホテルで開かれたトランプキャンペーンの安全保障会議に参加したパパドポロス氏は、トランプ氏とプーチン大統領の間で外交政策を巡る会談の実現に、これらのコネクションが利用できることを報告した。この時、トランプ氏は頷いて賛意を示し、同席していたジェフ・セッション現司法長官(当時は上院議員)は検討するべきだと前向きな発言をしたという。さらに4月中旬に、教授はロシア外務省とつながりがあるというIvan Timofeevという人物を紹介。4月26日にロンドンで会った際に、ヒラリー・クリントン氏に不利となる数千通のメールの存在をパパドポロス氏に伝えた。

裁判所を後にするパパドポロス氏

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判決の一報が流れると、トランプ大統領は「14日のために2,800万ドル。1日あたり200万ドルだ。共謀はない。アメリカにとって素晴らしい1日だ!」とツイート。捜査に多額を費やしていることを案に非難した。

さらに同日、ノースダコタのキャンペーンに向かう大統領専用機で記者から質問を受け、「私はパパドポロスを知らなかった。彼がテーブルに座っている写真は見たことがある。知っているのはそれだけだ。彼のことは知らない。」と述べ、パパドポロス氏との関係を否定した。