新型コロナ、トランプ氏 4月イースターに経済再開の意向

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トランプ大統領は24日、4月12日のイースターサンデーを目処に、経済活動を再開させたいと語った。

FOXニュースの番組に出演したトランプ氏は「イースターまでに国を開きたい。OK? いまここで言おう。他の理由でも大変重要な日だが、このために重要な日にしようと思う。私はイースターまでに国を開きたい、とてもそうしたいんだ」と語った。

イースターを選んだ理由について聞かれると「イースターは自分にとって特別な日だ」と回答。続けて「すべての教会が満員になったらすばらしいと思わないか?。全国の教会が人であふれる。とても美しい時期だと思う」と語った。

トランプ政権は16日に発表した新型コロナウイルスに関するガイドラインで、国民に対して不要な旅行や集会の自粛、自宅勤務といった社会距離戦略の実践を求めている。ガイドラインは期限を15日間と定めており、終了時に再度評価するとしている。

トランプ氏はインタビューで「治療は問題よりも悪いものであってはならない」と2日前にツイートした言葉を繰り返し強調。「私の考えでは、これが続くならもっと多くの人々が死ぬだろう」と持論を述べた。

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また、「われわれはインフルエンザで何千人も失っているが、われわれは国を消灯したりしない」と述べるなど、経済再開の正当性をインフルエンザと比較。「平均で3万7,000人だ。信じられるか。実際に今年はインフルエンザシーズンは悪く、われわれは数千人を失っている。一度も国を消したことはない。」と述べた。さらに「自動車事故でもっと命を失っている。自動車会社に自動車の製造をやめろとは要求しないだろう。われわれは仕事に戻らなければならない」と語った。

感染が最も拡大しているニューヨーク州について、緊急病院の設置などの支援していると述べつつ、「2015年に、ニューヨーク州知事のクオモはパンデミックに備えて推奨された1万6,000台の人工呼吸器の購入を却下した」と手にした資料を読み上げた。

参照元について明かさなかったものの、Foxニュースは、先週のニューヨークポスト紙に掲載されたベッツィー・マッコーイ氏の意見投稿を元にしたものだと報じている。一方、クオモ氏の広報担当は同局に対し、「彼が言及している資料を自身で読んでいないことは明らかだが、これは5年前の対策チームによるレポートで、人工呼吸器を調達するよう推奨したものでは決してない」と反論。「単に、1918年インフルエンザパンデミックが起きた場合に、ニューヨークは十分な人工呼吸器を備えていないと言及したものだ」と述べた。

同日、クオモ知事は同日の会見で、14日ー21日後にピークが予想される新型コロナウイルスの患者の急増に対応するため、追加で3万台の人工呼吸器の調達が急務だと発表。政府に対して、2万台の備蓄品の解放と国防生産法に基づく企業への生産指示をするよう訴えた。

またクオモ氏は経済活動の再開に関し、「経済もし国民に公衆衛生と経済のどちらを選ぶかを尋ねた場合、迷うまでもなく、人命を犠牲にして、経済を加速させたいという人はいないだろう。人生より仕事のほうが価値があるという人はいない。人の命を救う方が優先順位が高い。」と述べ、トランプ氏とは意見が異なると語った。
一方で、公衆衛生戦略を改善すると同時に、リスクの低い若者や感染から回復した人々を徐々に仕事復帰させる考えを示した。

ジョンズ・ホプキンス大学の調査によると、3月25日午前0時の時点で、米国の感染者数は中国、イタリアに次いで多い55,222人で、死者数は797人となっている。