トランプ氏 第3党からの出馬検討?共和党にゆさぶりか

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トランプ前大統領が、第3党から出馬する気構えがあることを示唆したとして話題になった。

トランプ氏は29日、Truth Socialのアカウントで、コメントを付けずに「来たる分裂」と題された論説文を共有した。記事は保守派のサイト「アメリカン・グレートネス」に掲載されたもので、この中で執筆者のダン・ゲレンター氏は、共和党の状況を1912年の大統領選になぞらえつつ、トランプ氏の第3党からの出馬に期待を示した。

1912年大統領選で、当時のタフト政権に不満を抱き、異例の3回目の当選を目指したセオドア・ルーズベルト元大統領は、共和党予備選で敗れた後、新たに第3の政党「革新党」を結成し、自らが候補者となり本選に挑んだ。結果として、共和党の票が割れ、民主党のウッドロウ・ウィルソン氏の大勝を許した。

ゲレンター氏は、共和党は当時、有権者がルーズベルトを望んだとしても、タフト大統領を擁立しただろうとした上で、2024年は「共和党が自党の有権者を無視した」1912年の再来に向かっていると主張。「過半数の共和党有権者がトランプを望んでいる一方で、共和党が彼を擁立できないとした場合、われわれはどうするべきか」と問いかけ、この場合、共和党が差し出す候補者に票を投じるべきではないと主張した。

トランプ氏は中間選挙後の世論調査で、フロリダ州のデサンティス知事に大きくリードを許すなど人気低下が示されているが、ゲレンター氏は、ワシントン以外では、「彼が尊敬され、通常のアメリカ人と自分たちを考える人々からでさえ愛されているのは明らか」と主張。「共和党全国委員会は、トランプが基盤を失い、集会に人を集められないふりをすることができる」とも述べた。

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加えて、2大政党制は、システムの安定性を維持するだけではなく、誤差の範囲を超えた真の発言を妨げていると批判。「共和党の器がトランプにとって十分大きなものでなければ、私にとっても同様だ」と語った。

トランプ氏が第3党で出馬した場合、勝利の見込みはないと認めつつも、投票に値すると主張。「この腐敗の温床を支えることに興味を失った」と説明した。さらに、ほとんどの共和党員がウクライナ支援を国家の最優先事項と考えているとした共和党上院トップのミッチ・マコーネル議員の発言に言及し、「ほとんどの共和党員とはどこにいるのか?彼の銀行口座の中ではないのか?」と、党指導部の意識に乖離があるとも批判。「もううんざり。私は出ていく」と締めくくった。