「われわれを第3次世界大戦に追いやってる」トランプ氏 バイデン大統領を批判

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ドナルド・トランプ
©MashupReporter

28日、トランプ前大統領は、ニューハンプシャー州とサウスカロライナ州をめぐり、次期大統領選の出馬表明後初となる選挙演説を行った。

サウスカロライナ州では、州議会議事堂に集まった聴衆を前にトランプ氏は、「2024年の選挙は、国を救う一発勝負で、初日から覚悟のあるリーダーが必要だ」と語りかけ、「左に立ち向かい、ヘドロと戦い、メディアとディープステートに立ち向かう戦士を必要としている。RINO(名ばかりの共和党)に立ち向かうっていってもいいかな。グローバリストと中国、アメリカのために立ち上がるといってもよいだろうか。それこそがわれわれの仕事であり、アメリカのために立ち上がることだ」と続けた。

国境や移民、麻薬、アフガン撤退など、バイデン政権の政策を批判。終盤にウクライナ戦争に触れ、「弱さと無能により、ジョー・バイデンは我々を第三次世界大戦の寸前に追いやっている」と主張。「大統領として、私は強さをもって平和を取り戻す。私が大統領であったら、ロシアとウクライナが戦争になるチャンスはゼロだった」と語った。「多大な人命が失われ、国土の多くが破壊されたにもかかわらず、私は24時間以内に和平交渉を行うだろう。協定を結ぶことができる。双方のための協定を結ぶこともできる、今すぐ24時間以内にだ」と宣言した。

トランプ氏は数日前にも、Truth Socialのアカウントを更新し、自分なら「この悲惨で急激に悪化する戦争を、交渉で24時間以内に終わらせることができた」と同様の主張を投稿。さらに「まずは戦車が来て、次に核戦争がやってくる。狂った戦争を終わらせろ。簡単だ」と投稿した。

米国とドイツは先週、それまでの消極姿勢を変え、ウクライナに西側の戦車を供与する方針を固めた。ロシア側は、ウクライナの自衛支援を超えたものだとして、強く反発している。

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ロシアで話題

トランプ氏の24時間停戦発言に、ロシアのペスコフ大統領報道官は記者会見の席で「理論上は、真実からそう遠くはない」と評価。「確かに、米国の大統領がこの紛争を終わらせたいと本気で願うなら、すぐにそうすることができる。単にキーウの政権に手順を教えてやればいいだけのことだ」と語った。

国営テレビでの議題にも上がった。デイリービーストのコラムニスト、ジュリア・デイヴィス氏がシェアした動画によると、ホストのドミトリ・クリコフ氏は「われわれのトランプ氏」から「往年の発言」が飛び出したと歓迎。トランプ氏の一連の投稿を読み上げ、トランプ氏が、大統領選でウクライナ支援に反対する人々に賭けているのは明らかだと主張し、軍事行動や政況にとって「これがどういうことを意味するのか?」とゲストに問いかけた。

ただし、振られたゲストのカレン・シャフナザロフ氏は「米国の大統領候補はなんだって言う。しかし、それと大統領になるのは完全に別の話だ」と落ち着いて回答。「私は、彼をロシアの友に引き上げた我が国の政治エリートたちによるトランプ崇拝を支持していない人物の一人だ」と否定的な考えを語った。

シャフナザロフ氏は、自分はマルキシストだとした上で「米国の外交と国内政治は、その利害を突き動かす主な力であるブルジョアジーのオリガルヒによって決められている」と主張。「大統領はそんなに重要でない」と語り、「トランプ氏が王座に復帰しても、彼は何も変えないだろう」と述べた。

一方で「唯一物事が変わるとすれば、米国のブルジョアジーが核戦争を望んでいない場合だ」と続け、核の恐怖を感じたとき「彼らはブレーキをかける」と加えた。