「準備しておけ!」トランプ氏 大統領選の出馬秒読みか、バイデン氏との再対決の可能性は?

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トランプ前大統領(76)は3日、アイオワ州で行われた中間選挙に向けた選挙応援演説で、支持者らに「準備をしておけ!」と呼びかけるなど、再びホワイトハウスを目指す可能性を強く示した。

中間選挙を5日後に控えるなか、トランプ氏は「我が国を成功した、安全で輝かしい国にするため、かなり、かなり、かなり、おそらくもう一回やるだろう、いいかい」と発言。参加者からトランプコールが沸き起こる中、笑みを浮かべて「準備をしておけ。今言えることはそれだけだ」と声を張り上げた。

集会は共和党が強固なアイオワ州北西部にあるスー・ゲートウェイ空港の外で実施された。トランプ氏は「2回出馬して、2度勝利した」といつもの誤情報を交えつつ、「1回目より2回目の方がはるかに上手くいった。2016年よりも2020年は何百万票も獲得していた。歴史上のいかなる現職大統領よりも票を獲得した」と話した。

ちなみに米国勢調査局によると、2020年の投票数は1億6,000万人近くで、2016年の約1億3,700万人よりも大きく増加した。実際、トランプ氏は2020年大統領選で、2016年の獲得票数を約1,100万票上回る約7,400万票を獲得したが、バイデン氏がこれを超える8,100万票を獲得し、勝利した。

演説の最後は「今年は、われわれが下院を奪還する年だ。上院も奪い返す。アメリカを取り返す」と中間選挙に言及しつつ「最も大切な2024年には、われわれは偉大なるホワイトハウスを取り返す」と宣言した。

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出馬表明は14日?

米ニュースサイトのAxiosは4日、情報筋の話をもとに、トランプ氏の内部関係者の間で、11月14日に出馬を表明する計画が話し合われていると伝えた。

中間選挙では、上下両院で共和党有利との観測も流れている。報道が本当であれば、共和党の勢いを自身の弾みとすることや、勝利に対する貢献を強調する狙いもあるとみられる。予備選ではトランプ氏がエンドースした候補者240人のうち、92%が勝利している。本戦では250人に対して支持を表明している。

各種世論調査では、トランプ氏は共和党の有権者の間で、他の潜在的候補者よりも高い支持を獲得している。トランプ氏以外には、フロリダ州のロン・デサンティス州知事やマイク・ペンス前副大統領、ニッキー・ヘイリー元国連大使などの名前が挙がっている。

一方、バイデン大統領(79)は2期目を目指す意向を示しているものの、世論調査で民主党支持者の過半数が、バイデン氏以外の候補者を望んでいると回答するなど、厳しい結果が示されている。バイデン氏以外の有力候補としては、ピート・ブティジェッジ運輸長官やカマラ・ハリス副大統領、エイミー・クロブチャー上院議員、エリザベス・ウォーレン上院議員、バーニー・サンダース上院議員といった顔ぶれが考えられる。

合衆国憲法では、大統領の任期は2期までと制限されている。これまでに連続せずに2期を務めた大統領は、1884年と1892年の選挙に勝利したグローバー・クリーブランド大統領のみ。