トランプ氏 応援演説で自画自賛、フロリダ州知事に「あだ名」

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次期大統領選出馬表明は目前とされるトランプ前大統領が、もう一人共和党から出馬が期待されるフロリダ州のロン・デサンティス知事に対して得意のあだ名を披露し対抗意識をうかがわせた。

5日夜、ペンシルベニア州ラトローブでの政治集会に姿を見せたトランプ氏。翌週に迫った中間選挙に向けた共和党の応援演説としながらも、「我々は共和党の候補者指名争いで、誰も見たことのないくらいデカく勝っているぞ」と、2024年の次期大統領選に言及。モニターに出馬が予想される共和党候補のリストが表示されると、トランプ氏は「ほらこのとおり。トランプ71%、ロン・デサンクティモニアスは10%だ」と、支持率を読み上げながらデサンティス氏の苗字をsamctimonious(「聖人ぶった」「偽善的」を意味する語)とかけた新たなあだ名を披露。さらに「マイク・ペンス7%。おお、マイクは思ったよりやるじゃないか。リズ・チェイニー。4%とは何かの間違いだ。あり得ない。あり得ない。だが、71、10,7,4という数字らしい」と続けた。

現時点でトランプ氏もデサンティス氏も出馬表明はしていないが、メディアでは早くも大統領選の共和党指名争いは最終的に両者の一騎打ちになるとの予想が度々語られ、お互いの関係に亀裂が入ったなどとも一部で報じられている。

なお、デサンティス氏はこれらの報道を全面的に否定している。今年2月のFOXニュースのインタビューでは、トランプ氏は「私の友人」とした上で、「私の健闘ぶりをトランプ氏は苦々しく思っているなどというメディアの報道は完全なでたらめだ。でっち上げただけだろう」と語った。

一方トランプ氏は先月、コロラド州の連邦上院選共和党候補でトランプ氏に批判的なジョー・オデイ氏をデサンティス氏が支持した際、自身のSNSトゥルース・ソーシャルで「大きな過ちだ!」とデサンティス氏への不満をあらわにした。

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6日にはマイアミを訪れ、再選を目指すマルコ・ルビオ上院議員の応援演説を行なったが、州知事のデサンティス氏は、高い支持率を誇るにも関わず招待すら受けなかったという。

次期大統領選に向けた世論調査では、ここ数か月、トランプ氏がデサンティス氏に支持率で大きくリードしている。ただ一方で、共和党指名争いでのトランプ氏のライバルとしては、依然デサンティス氏が最も有力視されている。

保守系政治団体Turning Point USAの学生行動会議における調査では、参加者の78.7%が次期大統領選の共和党候補としてトランプ氏を支持すると回答。今年8月に行われた米保守連合主催のCPAC(保守政治行動会議)の調査では、トランプ氏が69%の支持を得たのに対し、デサンティス氏は24%だった。

トランプ氏は未だ次期大統領選への正式な出馬表明をしていないが、早ければ中間選挙投開票の翌週、11月14日にも表明する可能性が報じられている。デサンティス氏は、先月の討論会で大統領選出馬について問われた際に回答を拒否している。