ミシガンでバイデン氏に魔法の票?トランプ陣営、誤情報を拡散

81

4日、Foxニュースのタッカー・カールソン氏の番組に出演したトランプ陣営のリーガルアドバイザー、ジェナ・エリス(Jenna Ellis)氏は、ミシガン州で大量の票が突然バイデン氏に加算されたと主張。裁判所に訴える意向を示した。

エリス氏は「13万8,000票が魔法のように現れ、100%バイデン票だった」と述べ、同様のことがトランプ氏に起きたなら、民主党は憤慨するだろうと発言。「党派政治の問題ではなく、自由で公正な選挙を約束する合衆国憲法と法による支配の問題だ」と語り、これらの票へのアクセスを求めるとしつつ、問題を訴訟によって解決する必要があると述べた。

SNSで噂が拡散

エリス氏の主張の元となったのは、ツイッターやフェイスブックで拡散しているミシガン州の投票結果に関するスクリーンショット。

画像は、開票率の異なる時点の各候補者の得票率を左右に2枚並べたもので、左側のバイデン氏の得票数は1,992,356、右側は2,130,695と表示されている。この間、他の候補者の数値は変化がなく、バイデン氏にのみ138,339票が加算されている。

なお、画像には時間を示す表示はなく、サイト名も明記されていない。

Advertisement

トランプ氏に到達

画像は、SNSを通じて保守派の間で拡散され、フェデラリストなど保守系メディアが取り上げた。

同サイトの共同創設者のショーン・デイビス氏は画像とともに「家に帰って、みんなが寝ている間に、ミシガンの民主党は138,339票を魔法のように発見し、138,339票全てが不思議とバイデンに入れた?」とツイートした。

保守派のコメンテーターMatt Mackowiak氏も「更新によると、バイデンに100%新しい票が与えられた。128k+」と画像付きで投稿。同投稿は、2万回以上リツイートされたという。

噂はトランプ氏にも到達。4日朝、「これは何のことだ」とコメントを付けてツイートした。

入力ミスだった

その後、スクリーンショットは、公式サイトではなく、選挙予測や結果を提供しているDecisionDeskHQから取られたもので、入力ミスだったことが判明した。

Mackowiak氏は、ツイッターで、オリジナルの投稿に悪意はなかったと弁明しつつ、「参照したミシガンの更新情報は、一つの郡の誤植だったことがわかった。オリジナルツイートを削除した」と投稿した。

現在、デイビス氏やトランプ氏のリツイートは、誤解を招く恐れがあるとして警告が表示されている。

ミスにいち早く気がついたユーザーもいた。政治ベッティングを行なっているというイアン・ゴールドスタイン氏はUSA Todayに、誤植はシアワシー郡に関するものだと指摘。15,371票を加算するべきところを、153,710票と間違えたために起きたものだと語った。なお153,710から15,371を引くと138,339となり、バイデン氏に加算された得票数と一致する。

同氏は、DecisionDeskHQはAP通信よりも早いが、エラーが起きやすいため、複数サイトを参照していると説明。「DecisionDeskでのみ発生したので、発見するのは簡単だった」と語った。なお、ミスが修正されるまでの時間は15分程度だったという。