トランプ前大統領は5日、米女子サッカーチームが金メダルを逃したのは、「Woke(ウォーク)」のせいだと批判した。
世界ランキング一位のアメリカは、5度目の金メダル獲得の期待がかかったものの、準決勝でカナダに破れ、同日行われたオーストラリアとの3位決定戦に出場。4-3で試合を制し、銅メダルに終わった。
これに対してトランプ氏は声明で「熱狂的な左派の過激グループが率いたわれわれのサッカーチームが、Wokeでなければ銅じゃなくて金メダルを獲得しただろう」と主張。「Wokeは敗北を意味し、Wokeなるものはすべて悪い結果となる。サッカーチームには確実にこれがあった」と述べた。
Wokeは、人種差別や社会的差別、不公正といった問題に高い意識を持っていることを指す言葉。最近は「ポリコレ」と同様に、右派がリベラルを揶揄する言葉として使用されることが多い。
アメリカがスウェーデンに初戦で敗退した際にも、トランプ氏はフェニックスで開催された集会で「Wokeism/ウォークイズム」によるものだと主張していた。
「Wokeismが負けさせるのだ。精神を損ない、人としてあなたを破滅させる。ひねくれて、狂ってしまう。アメリカ女子サッカーチームが良い例だ」
Trump: Wokeism makes you lose, ruins your mind, and ruins you as a person. You become warped. You become demented. The US Women’s Soccer team is a good example of what’s going on… pic.twitter.com/SSPdgp8unu
— Acyn (@Acyn) July 25, 2021
トランプ氏はまた、今回の声明で、チームの大黒柱でベテランのミーガン・ラピノー選手を指して「紫色の髪の女性のプレーはひどかった」と非難。「急進左派の政治について考えることばかりに時間を費やして、自分の仕事をしていない」と述べた。
人種差別やLGBTQ差別、さらに男女間の賃金格差の問題に取り組んでいるラピノー選手とトランプ氏の確執は2年前にさかのぼる。
ラピノー選手は、2大会連続優勝となった2019年の女子サッカーW杯フランス大会で、決勝戦を前に「優勝しても、くそみたいなホワイトハウスにはいかない」と宣言。これに、トランプ氏が「ミーガンは口を開く前に、まず勝利すべきだ。仕事を済ませろ!」と応酬し、話題となった。
“I’m not going to the fucking White House.” – @mPinoe pic.twitter.com/sz1ADG2WdT
— Eight by Eight (@8by8mag) June 25, 2019
なお、ラピノー選手はオーストラリア戦でカルリ・ロイド選手と並んで2得点を挙げ、チームを勝利に導いた。主将のベッキー・サワーブラン選手は試合について「銅メダルにはとても意味がある」と述べ「勝ち取らなければならないと感じていた。本当に誇りに思っている」と喜びを語った。