22日、米トイザらス(Toys“R”Us)の創設者チャールズ・ラザラス(Charles Lazarus)氏が94歳で死去したことを同社が発表した。訃報の知らせは、同社が米国内の740店舗を閉鎖もしくは売却し、事業を清算すると発表した約1週間後に届いた。
There have been many sad moments for Toys”R”Us in recent weeks, and none more heartbreaking than today’s news about the passing of our beloved founder, Charles Lazarus. Our thoughts and prayers are with Charles’ family and loved ones.
— ToysRUs (@ToysRUs) March 22, 2018
第二次世界大戦から帰還したラザラス氏は、1948年、ワシントン州に子供用家具を販売する店をオープンし、ベビーブームとともに成長を遂げた。1957年には、販売品目を玩具に拡大し、名前を現在のトイザらス (Toys“R”Us) に変更。1965年には、おなじみのマスコットキャラクター、キリンのジェフリー(Geoffrey)が誕生し、1973年に初めてテレビコマーシャルに登場した。
ラザラス氏は、子供用アイテムを販売する店をオープンさせるには、丁度良いタイミングだったと、2008年にアントレプレナーマガジンによるインタビューで語っている。米国ではテレビが普及し、バービー人形やフラフープ、スリンキーズなどの玩具への需要が拡大した時期だった。
1980年代から90年代初期には、トイザらスは、豊富な品揃えで、玩具分野のカテゴリーキラーとして業界を席巻した。子供たちにとって、トイザらスは遊び場のような存在だった。90年代にはポケモンが流行し、子供たちはシューズボックスにカードを詰めこみ、仲間同士で交換して遊んだという。1994年にラザラス氏がCEOを退いた後は、経営陣が頻繁に入れ替わることとなる。
トイザらス救済基金がスタート
ラザラス氏が死去した同日、トイザらスを救済しようと、「リトルタイクス」(Little Tikes)や「ブラッツドール」(Bratz)などの玩具で知られるMGAエンターテインメント(MGAE)のアイザック・ラリアン(Isaac Larian)氏が中心となり、GoFundMeで10億ドル(1,100億ドル)を募る活動「Save Toys”R”Us」がスタートした。
倒産手続きにおいて、米トイザらスの資産を全てもしくは一部を取得するための基金を募っている。ラリアン氏自身は2億ドル(約220億円)の寄付を申し出た。ラリアン氏は「トイザらスがなければ、玩具ビジネスもなかった。」とし、「子供の頃にトイザらスの店に入って通路を歩くのは、この上ない楽しみだった。次の世代にも、この純粋な体験を受け継いでいきたい。」と述べている。
今年の5月28日のメモリアルデーが締め切り期限となっている。
#SaveToysRUs is trending after billionaire toy exec Isaac Larian contributed $200 million in an effort to reach a $1 billion goal to save Toys “R” Us through a new GoFundMe effort https://t.co/cfEd6xRJN5
— CBS Los Angeles (@CBSLA) March 22, 2018
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トイザらスは、米国内の740店舗を閉鎖し、事業を清算することを発表。約70年の歴史に幕を閉じることとなった。