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飲食店でアジア人従業員を暴行の女ら 懲役1年の可能性

ニューヨークの飲食店で、テキサス州から来た旅行者が、ワクチン接種証明書の提示を求められた後、従業員に暴行を加えた事件に関して、3人の被告人が5日、マンハッタンの裁判所に出廷した。

事件は先月16日、アッパーウエストサイドのイタリアンレストラン「カーマイン」(Carmine)で起きた。3人の黒人女性は入店時にワクチン接種証明書を提示したが、同伴した男性3人のうち2人が、証明書と一致する身分証明書を持参しておらず、いったん入店を断られた。
この後、女性らは、従業員の腕や髪をつかんだ上、ネックレスを引きちぎった。さらに、顔や体を殴るなど、暴行を加えた。

この事件で、Sally Rechelle Lewis(49歳)とKaeita Nkeenge Rankin(44歳)、Tyonnie Keshay Rankin(21歳)が暴行罪や嫌がらせで起訴された。

被害者はアジア系アメリカ人の女性で、脳しんとうを起こしたほか、打撲や顔のひっかき傷を負った。有罪となった場合、最高1年間の禁固刑が科される可能性がある。

被告人ら人種差別を主張

加害者の弁護士ジャスティン・ムーア氏は事件後、ニューヨークタイムズに、被害者の女性が、ワクチン証明書は偽物だと示唆した上、被告人や同伴者に対し、人種差別的な発言をしたり、横柄な態度をとったりしたと主張。それが暴行に繋がったとして、起訴の取り下げを求めていた。

一方、店側は、スタッフによる人種差別発言を否定するなど、両者の説明に食い違いが生じていた。

同店が公開した監視カメラの映像には、女性が従業員に背後から近づき、襲い掛かる様子が映っている。音声がないため、人種差別発言については確認できない。

女性らが起訴されたことを受け、ブラックライブズマターの関係者らが20日、店の前に集結。抗議活動を行った。

現場で会見を開いたプロテスターの指導者は、アジア人従業員が「Nワード」を言ったと非難。また店側は当初、証明書を持っていなかった女性たちが暴行を働いたと、誤った説明をし、黒人女性を中傷しようとした批判した。

©mashupNY

被害女性は人種差別を否定

暴行を受けた従業員の女性は5日、弁護士を通じて声明を発表。ワクチン接種の確認はニューヨークの法律で定められており、「私は、同僚と客をコロナウイルスに感染する危険から守るために、自分の仕事をした」と説明。続けて「私が人種差別的な発言をしたという主張は、信じられない」と加害者側の主張を否定した。

「私はソウルで生まれた韓国の移民で、BIPOCの人々に最大限の敬意を払っている。誰に対しても人種差別的発言をしたことはない」と述べ、「嘘をつく人々は、暴行を受けるよりも、さらにたちが悪い」と非難した。

カーマインの広報担当者は5日、ニューヨークポスト紙に「検察が今回の暴行を真剣に受け止めていることを評価する」と声明を発表。「飲食店の労働者はこの街の生命線であり、このような犯罪行為は許容できない」と述べた。

次回公判は11月18日を予定している。

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