悪役の黒人俳優起用は人種差別、ネトフリ新作に非難

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ティム・バートン監督の待望の新作「ウェンズデー」(Wednesday)の配信がスタートした。すでに大ヒットを記録する一方で、黒人キャストの悪役への起用をめぐり、人種差別だとの声が上がっている。

同作品は、「アダムス・ファミリー」(1991)のリブート版。Netflixによると、配信開始後1週間で、3億4000時間以上視聴され、「ストレンジャー・シングス4」(3億3,500万時間)を抜いた。

主人公ウェンズデー・アダムスを演じるのは、ラテン系のジェナ・オルテガ(Jenna Ortega)。黒人俳優のジョイ・サンデー(Joy Sunday)とイマン・マーソン(Iman Marson)が、いじめっ子の役として登場する。マーソンは、イギリス人入植者をテーマにした遊園地「ピルグリム・ワールド」のオーナーである市長の息子、ルーカス・ウォーカーを演じている。

いじめっ子役には白人のキャストも含まれるが、ツイッターのユーザーからは「ティム・バートンは邪悪または好かれないキャラクターに、黒人を起用することで知られている」「ティム・バートンはついに黒人をキャスティングしたが、ピルグリムの悪役に起用した」と否定的な意見が投稿された。

これらの反応に対し、バートン監督の広報担当者マイク・シンプソン氏は、ニューヨークポスト紙に「ばかげた質問」は監督に尋ねることすらできないと、回答を拒否。CNNの記事を添付し「明らかにデイライトセービングタイムの方が人種差別的だ」と指摘した上で、同作品がサマータイムが導入されているルーマニアで撮影されていることを、引き合いに出した方が「まだまし」と皮肉めいたコメントを出した。CNNには、有色人種はデイライトセービングタイムによって、より不均衡な影響を受けていると書かれている。

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なおBustleは2016年の記事で、バートン氏の作品で、「ミス・ペレグリンの奇妙な子供たちの家」(2016)に出演したサミュエル・L・ジャクソンは、初めて主役を演じた黒人だとして、キャストの多様性の欠如を指摘していた。

バートン氏は、同サイトの取材に対し、映画業界での多様性に関して「人々はそれについてより語るようになった」と述べつつ、60年代後半から70年代初頭に放送されたシットコム「ゆかいなブレディー家」で、「全てが政治的に正しくなり始めたのを覚えている」と振り返った。自身は「(都会に暮らす黒人をステレオタイプ化した)ブラックスプロイテーション映画を見て育った」と明かし、これらの作品に「もっと白人が出演するべきだとは思わなかった」と自身の考えを語っている。