ホイットニー・ヒューストン伝記映画初登場3位、『アバター』続編ぶっちぎりの首位独走

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    先週末(12月23日~12月25日)の全米ボックスオフィスランキングでは、ジェームズ・キャメロン監督の『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』が5,600万ドルと、2位以下に圧倒的な差をつけて首位をキープした。

    クリスマスの週末は歴史的な寒波に見舞われたが、先週からの下落率は58%にとどまった。全世界での累計興収は8億5,500万ドルに達し、来週には10億ドルを超える見込み。来年2月に公開されるマーベルの『アントマン&ワスプ:クアントマニア』まで「アバター」の独走が続くとみられている。

    2位にドリームワークス最新作『長ぐつをはいたネコと9つの命』(1,135万ドル)、3位に『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』(530万ドル)が続いた。

    『ラ・ラ・ランド』でアカデミー作品賞を獲得したダミアン・チャゼル監督の『バビロン』は、ブラッド・ピットとマーゴット・ロビーらのスターを起用したが、興行成績はわずか350万ドルで4位だった。

    なお2位の『長ぐつをはいたネコと9つの命』は、「シュレック」シリーズのスピンオフ『長ぐつをはいたネコ』(2011)の続編。声優にはアントニオ・バンデラス、サルマ・ハエックらが続投し、新たにオリヴィア・コールマンやフローレンス・ピューなども参加することでも話題となっていた。

    3位のホイットニー・ヒューストンの伝記映画は、『クリスマスの贈り物』(2013)や『ハリエット』(2019)などを手掛けたケイシー・レモンズ監督が手掛けた。

    当初『エブリシング』(2017)や『ザ・フォトグラフ』(2020)で知られるステラ・メギーが監督を務める予定で企画が進められていたものだが、ステラが製作サイドとの意見が噛み合わず降板したことで、ケイシーが監督に抜擢されることになった。ステラの作風が、黒人社会の暗部を描くことが多かったため、ホイットニーのスキャンダラスな部分にフォーカスを当て過ぎたのかもしれない。

    ケイシーも同様に、黒人社会を切り取りつつ、特にその中で生きる女性の強さというものを映画やドラマで描き続けてきた監督ではあるが、ステラと比べれば、まだエンタメ性の強い作風であることは明確で、製作サイドはあくまで今作をエンタメ作品として売り出したかったのだろう。ホイットニーが初めてテレビで歌声を披露した1983年の「マーヴ・グリフィン・ショー」の様子や1991年のスーパーボウルの国家独唱、1994年のアメリカン・ミュージックアワードなどのステージが見事に再現されている。

    ホイットニーを演じたナオミ・アッキーは残念ながら吹替え処理されているものの、アッキーは決して歌えないわけではない。Podcastのミュージカルドラマ「キューピッド」では見事な歌声を披露しており、今作の中でもホイットニーの音源が存在しないゴスペルを歌うシーンや「Guide Me, O My Great Jehovah」などは実際にアッキーが歌っている。ホイットニーと多くの曲を手掛けてきた音楽プロデューサーのクライヴ・デイヴィスのお墨付きでもあるのだ。伝記映画としては、弱い部分も多い作品ではあるが、伝説的アーティスト、ホイットニー・ヒューストンの偉大さを知る上では見事に機能した作品といえるだろう。