リアルな宇宙遊泳を体験した人気SFドラマ「スター・トレック」の”カーク船長”に、元乗組員が「モルモット」と噛みつくなど、バトルが勃発している。
船長役を務めた俳優、ウィリアム・シャトナー(William Shatner)氏は13日、アマゾン創業者ジェフ・ベゾス氏が創設したブルーオリジンの民間宇宙船「ニューシェパード」で約10分間の宇宙旅行を体験した。90歳のシャトナー氏は、宇宙に行った最高齢の人物となる。
シャトナー氏は帰還後、感無量といった様子で「われわれを包み込むブルーのシート」が突然取り剥がされ、「暗黒の醜さを目の当たりにした」など宇宙に飛び出した瞬間を描写。今までで「最も感慨深い経験だった」と述べ、出迎えたベゾス氏に感謝を示した。さらに「世界の人々はみなこれを見るべきだ」と語った。
BREAKING: @WilliamShatner lands back on Earth as the oldest person to ever go to space.
— ABC News (@ABC) October 13, 2021
Here’s his astonished and emotional reaction.
MORE: https://t.co/qCcQeamHmX pic.twitter.com/MAKpOIiKQY
これに反応したのは、ヒカル・スールー役を演じた俳優ジョージ・タケイ(George Takei)氏(84)。
同日、ブロードウェイミュージカル「Thoughts of a Colored Man」のオープニングナイトに出席したタケイ氏は、Page Sixの取材に「彼はただのモルモット」と揶揄。「90歳の男の体がどんな具合に消耗するのか、それを観察するためのいい見本だ。適切なサンプルとはいえないだろうが」と皮肉を述べた。
2人は長年、犬猿の仲で知られている。タケイ氏はこれまで、撮影現場でシャトナー氏が自分を無視するような態度を取ったほか、「スター・トレック5」の脚本を書き換え、スールーが宇宙船を率いるシーンを削除したと主張。シャトナー氏を「自己中心的な人物」とも非難している。
シャトナー氏はタケイ氏の発言に対し、「ジョージを憎まないで。彼がメディアの注目を浴びるのは、私について話すときだけ」と嫌味で応戦。ゴールデンタイムの放送で、30秒間映らなかった50年前の出来事を未だに恨んでいる述べ、彼のヘイトな発言を世界に撒き散らしてやると投稿した。
Don’t hate George. The only time he gets press is when he talks bad about me. He claims 50+ years ago I took away a camera angle that denied him 30 more seconds of prime time TV. ??♂️ I’m giving it back to him now by letting him spew his hatred for the world to see!? Bill the ?
— William Shatner (@WilliamShatner) October 16, 2021
ウィリアム王子も批判
なお英王室のウィリアム王子も、今回の宇宙旅行に否定的な考えを示した。BBCのインタビューに対し「われわれは、世界の素晴らしい精神や知能を、この地球を修復するために必要としている。次に住むべき場所を探すために使用すべきではない」と主張。宇宙飛行に使用される炭素コストに対しても「根本的な問題がある」と環境に及ぼす影響にも懸念を示した。
これについてシャトナー氏は、Entertainment Tonightで「的外れ」と一蹴。「われわれのような人々が宇宙に行くための、実用化に向けた小さな一歩」であり、「電力を供給する産業を作り出すためのファーストステップ」だと反論している。