米国境警備局 移民集団に催涙ガス メキシコ国境で高まる緊張

米国と国境を接するメキシコ北部のティファナでは25日、移民キャラバンの一部がメキシコ警察の制止を抜けて国境に近づいたため、米国境警備局が国境を閉鎖し、集団に催涙ガスを発射するなど、緊張が高まる事態が発生した。

ニューヨークタイムズによると、この日、中米から到達した移民キャラバンのうち数百名が、米側に難民申請の手続きを早めるようデモ行進を実施した。デモの集団は、サン・イーサイドロ国境検閲所に通じる橋付近でメキシコ連邦警察と遭遇。多くが川床に向かって走るなどし、統制が失われた。メキシコ警察はシールド装備し、隊列を組むなどして抑止を試みたが、一部の集団が国境の線路やフェンスへと向かったという。

事態を受け、サンディエゴの米国境警備局は国境検閲所の車両と通行者通路を封鎖し、集団を後退させるために催涙ガス弾をメキシコ側に発射した。
タイムズによると、メキシコ側で少なくとも24発の催涙ガス弾が発見されている。ロイター通信記者は、ガスによって若い女性が意識不明で横たわり、2人の幼児が泣く姿を目撃している。また、複数の移民は、国境を通過するために米国職員と交渉ができると考えていた、と話しているという。

国境を違法に通過した者がいるかは不明だが、ABCニュースには、封鎖前の検閲所入り口に複数名が走る様子が撮影されている。

メキシコ内務省は、本日のデモに、移民キャラバンのうちの約500人が関わったとし、連邦警察に危害を加えたものに対しては国外退去を命じると発表している。市当局によると、39人が逮捕されている。

ニールセン国土安全保障長官は声明で、フェンスを破壊しようとした複数の移民が、国境警備局員に武器を投げつけたといい、「国土安全保障省はこのような無法な行いを容赦せず、安全保証と公共の安全のために入国港を閉鎖することも厭わない」と発表した。

過去2週間で、ティフアナには5,000人ほどの移民キャラバンが到達しており、さらに今後数日で約1,500人が到着する見込みだという。ティファナのホアン・マニュエル・ガステルム市長は23日、人道危機にあると宣言し、滞在施設や食料、衣料など、移民保護に関し、国連に支援を要請している。

トランプ大統領は24日にツイッターで、難民申請の結果がでるまで、移民はメキシコにとどまらなくてはならないと主張。メキシコ政府は移民の滞在受け入れを正式に決定していないが、マルセロ・エブラルド(Marcelo Ebrard)次期外務大臣によると、次期政府高官は米側からの提案について日曜日にも協議を行う予定となっている。