首都ワシントン議事堂付近で車突っ込み。警察官1人死亡。容疑者はネーションオブイスラム支持者か

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首都ワシントンで2日午後1時頃、議会付近に設置された警備用バリケードに車が突っ込む事件が起きた。警察官2人がはねられ、1人死亡、1人が負傷した。

死亡したのは、勤続18年のベテラン警察官ウィリアム・エヴァンズ(William Evans)氏。搬送先の病院で死亡が確認された。もう1人の容態は安定しており、命に別状はないという。

議会警察の発表によると、衝突後、男は車から飛び出し、刃物を持って警察官らに向かって突進してきた。男は銃で撃たれ、搬送先の病院で、死亡が確認された。

コロンビア特別区首都警察が事件の捜査を行う。Robert Contee臨時警察署長は、「テロとは無関係のようだ」と語っている。

ネーション・オブ・イスラムに言及

MSNBCによると、容疑者はインディアナ州出身で、ヴァージニア州在住のノア・グリーン(Noah Green)(25)。黒人至上主義的な思想を唱えるネーション・オブ・イスラム(Nation of Islam)を支持していたと見られている。

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グリーン容疑者は、フェイスブックのページで同団体の指導者ルイス・ファラカン(Louis Farrakhan)氏に言及していた。現在ページは取り下げられている。

黒人活動家のファラカン氏は、反ユダヤ主義や反同性愛者的な発言を繰り返し行っていることで知られる。
南部貧困法律センター(SPLC)が、ネーション・オブ・イスラムを「憎悪団体」に指定しているほか、フェイスブックは2019年、「危険な人物および団体」のポリシーに反するとして、ファラカン氏のプラットフォームの利用を永久に禁止した。

ニューヨークポスト紙によると、グリーン容疑者は「ブラザー・ノアX」と署名し、次のようなメッセージを投稿していた。「私は正しい方向に向かっており、計画した全てのことは実現しつつある。その間、一連の懸念される症状を体験する一方、長時間かつ多大な勉強、バランスを保つための運動が求められた。(知らずに服用した薬物の副作用であると思われる)」「しかしながら、アッラーは他のことに私を選び、その道は妨げられた。人生を通じて、私は目標を掲げ、それらを達成してきた。より高い目標を設定し、それらの犠牲になるよう求められた」と綴っている。

また、ここ数年「厳しい」状況で、この数カ月は「さらにつらい」状況だったと家族や友人に知らせていたという。

グリーン容疑者は「無職だが、最終的には精神的な旅を求めている」などと語っていた。17日には「われわれが知る、最後の日」について警告。21日には、ファラカン氏がマイケル・ジャクソンを擁護するYouTube動画「マイケル・ジャクソンの受難」を投稿していた。