ニューヨークに新たに誕生した展望台「サミット・ワン・バンダービルト」(summit one vanderbilt)。コロナ復興後の観光の目玉として期待されている。
ワン・バンダービルトは、オフィスビルとしてマンハッタンで2番目に高く、展望台はこの91階から93階にある。一般入場チケットは39ドルからで、追加料金でカクテルがついたり、ビル頂上に設置されたガラス張りのエレベーターで、特別なスリルを味わうこともできる。
目玉の一つが「イマーシブで五感を刺激する体験」ができる鏡張りの展望フロア「Air」だが、オープン直前になって、スカートで歩くと床と天井の鏡からスカートの中が丸見えになる問題が浮上。
ニューヨークポスト紙は、ホームページに急遽、服装に関する注意事項が加えられたと報じた。現在サイトで「意図しない露出を避ける」ため「ズボンやショートパンツ、タイツ」を着用するよう推奨している。
「Air」をデザインしたのは、素性を明かさず活動するクリエーター、ケンゾー・デジタル(Kenzo Digital)。謎の多い活動スタイルが時に英国の覆面アーティスト、バンクシーとも比較される。
ケンゾー氏は「ニューヨークのめまいがするような上昇志向とインスピレーションを共有するもの。ニューヨークのすべてのものに感謝を示す可能性の光」とデザインの意図を説明しているが、スカート問題には考えには至らなかったようだ。
ニューヨークポスト紙によると21日のオープン初日には、ほとんどの訪問客は運営側のガイドラインに沿い、ジーンズやレギンスなどの安全な服装で訪れていた。ただ中にはガイドラインに注意を払わなかった人や、あえて無視した人もいたという。
マンハッタン在住の66歳の女性は、ひざ上丈のワンピースで訪問。記者が問題を指摘すると驚いたものの、「構わないわ」と臆する様子を見せなかったという。自身の誕生日を祝いに訪れたという32歳のメキシコ人女性は、「スカートの方が見栄えがいいわ」と、注意書きをあえて無視したことを明かした。
運営側は、ドレスコードをあくまで推奨にとどめており、従う必要はない。うっかりスカートで来てしまった訪問客のために、反射しない通路を提供するほか、黒のショートパンツを無料で貸し出すとしている。
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