米CDC 機内での集団感染例を発表

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米疾病対策センター(CDC)は18日、新型コロナウイルスに関する調査で、3月に起きたベトナム航空での機内感染の例を発表した

調査は、ベトナム航空の3月1日のロンドン発ハノイ行きの便、10時間フライトに関するもの。3月10日までにCDCが乗員乗客217名を追跡したところ、女性の乗客1人から15人の乗客乗に感染したことが分かった。なお女性には搭乗前、喉の痛みと咳の症状が出ており、4日後に陽性が確認された。

空港到着時に乗客は、体温測定を行い、コロナの症状を報告する義務があった。しかし、機内や空港内でのマスク着用は義務付けられておらず、検疫は中国や韓国、イタリアなど一部の国に限られていたという。

感染者のうち12人は、感染者の女性とともにビジネスクラスに着席していた。CDCは報告書で、座席の距離は感染リスクに強く関係していると述べている。

また、長距離飛行機の機内感染リスクは「現実にあり」、ビジネスクラスのように距離感のあるスペースでも、相当の集団感染を引き起こす可能性があると結論づけた。
航空業界や規制当局に「より厳格な感染防止対策と到着口でのスクリーニングが求められる」と呼びかけた。
またガイドラインに、個別の乗客の感染リスクや、乗客数、飛行時間なども盛り込む必要があるとしている。

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1万1,000人が曝露の可能性

なおCDCは別の報告で3月以降、感染者1,600人から、1万1,000人近くの乗客がウイルスに曝露した可能性があると発表している。

米国内での機内感染の例は報告されていないものの、CDCの広報担当者は「報告がないことが、機内感染がなかったことの証拠にはならない」とワシントンポスト紙に説明
また旅程でウイルスに曝露する機会が多いことを考慮すると、機内で感染したことを明確に判断することはできないと、実態の把握が困難であることを語った。