マンハッタンのソーホー、高級ブランド店を狙った集団万引きが多発

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マンハッタンのソーホーで、高級ブランド店を狙った集団による万引きが多発している。ニューヨークポスト紙が報じた。

最近では、モンクレールが10月1日に立て続けに2度の被害にあった。関係者が同紙に語ったところでは、最初の犯行は2人組で、20着以上のジャケットが盗まれた。2回目の犯行があったのは午後6時ごろ。犯人らは5万ドル以上の商品をつかんで、白色のジャガーと黒色のアウディで逃走した。

2回目の犯人は16人から20人の集団で、この中には見張り役までいたという目撃証言もある。捜査関係者によると、モンクレールは9月25日にも被害にあっていた。

また9月30日には、3人の男が午後12時50分頃、ウースターストリートにあるセリーヌに入店。3万7,000ドル以上の商品を盗み、ニュージャージー州のナンバープレートのついたダークカラーのアウディで逃走をはかったという。

捜査関係者は、セリーヌの犯人は、これまで高級ブランド12店で万引きを働いたグループの一員とみている。

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犯人らは、店を去る前に止められそうになると、しばしば人種的な非難を持ち出すという。このため、ブランド側は、インスタグラムで人種差別者と呼ばれるのを恐れ、従業員に放っておくよう指示しているという。

「ソーホーの店長、特に全国的な小売店の従業員は特に、報復や悪評、ブランドを傷つけられたりするのを恐れて、口をつぐんでいる」と情報筋はポスト紙に語っている。

捜査当局は同紙に、最近数カ月で、高級店を狙った窃盗が数十件あったと認めており、アディダス、フェンディ、バーバリーなどが被害にあったと語っている。また、犯人らは店で騒ぎを起こして、できる限りの商品を万引きしても、抵抗にあわないと確信しているといい、この捜査関係者は「儲かるビジネスだ」と述べたという。

10月2日、ニューヨーク警察はプラダで窃盗をはたらいた34歳の男を逮捕した。男は8月24日から9月12日の間、3回にわたって合計1万2,000ドルの品物を万引きした。現在3件の窃盗罪で起訴されている。同被告は、出廷を命じられた後、解放された。

なお今年9月までの窃盗は市全体で3,639件で、前年同時期より7%減少しているという。

5月末から6月初旬、ニューヨーク市内各地で、ジョージ・フロイド氏死亡事件に対する抗議デモに便乗した大規模な略奪が発生した。ソーホーでは、新型コロナウイルスにより閉鎖されていた数十件の高級店の窓ガラスが破られ、商品が次々と盗まれた。専門家は、市全体の被害総額は、数千万ドルに上ると推定している。

▼6月1日、ソーホーで起きた略奪の様子

▼大手百貨店メイシーズも略奪被害