発砲までの一部始終、ドラッグストアの警備員 万引きの容疑者を射殺

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©San Francisco District Attorney’s office

サンフランシスコにあるドラッグストアで、警備員が万引きの容疑者を射殺した事件に関し、サンフランシスコ地区検察局は15日、監視カメラの映像を公開した。

同検事局は今月1日、警備員を不起訴処分としたことに、擁護団体から非難の声が上がっていた。

事件が起きたのは先月27日、ダウンタウンにあるウォルグリーン。映像には、警備員が女性を呼び止め、複数回殴り、押さえ込もうとする様子が映っている。その後、女性が拘束を逃れ、店を出ようとしたところ、発砲した。

警備員の名はマイケル・アール・ウェイン・アンソニー氏。取り調べで、商品を戻すよう伝えたところ、争いに発展したと供述。取っ組み合いの最中、相手から「お前を刺す」と繰り返し脅されたとしている。

アンソニー氏は、チョークホールドを外した後、相手が襲ってきた場合に備え、銃を抜いて床に向けていた。女性は店を出る際、アンソニー氏に唾を吐いただけだが、これを襲われたと感じ、発砲した。刃物などの武器は所持していなかったという。

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ジェンキンス地区検事長は、監視カメラの映像に加え、目撃者や警察の報告書も重要だと説明。アンソニー氏の正当防衛の主張を非難することはできないとしている。

死亡したのは、バンコ・ブラウンさん(24)。ホームレスのトランスジェンダーだった。

ヤング・ウィメンズ・フリーダム・センターの共同委員長は、今回の事件について、ブラウンさんは「14ドルのために殺害された」と主張。「武器による暴力は、貧困に対する不当な対応」と非難した。