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全米オープン女子 大坂なおみ初優勝 Sウィリアムズの抗議でブーイングの嵐

今年で50周年を迎える全米オープンテニスは、8日、女子シングルス決勝戦が開催され、大坂なおみ選手(20)が女王セリーナ・ウィリアムズ(Serena Williams)選手(36)を6-2,6-4のストレートで下し、日本人として初めてグランドスラム大会シングルス優勝という快挙を成し遂げた。
優勝賞金の金額は、昨年より10万ドル(1100万円)増額され、380万ドル(約4億2千万円)となる。

敗退したウィリアムズ選手は今大会で、マーガレット・コートが持つグランドスラムのシングルス最多勝利記録に並ぶ、24回目の優勝を目指していた。

ウィリアムズ選手を応援する観客が圧倒的多数の中、試合はスタート。大坂選手は、第1セットから好調な出だしで、3-1とリードを奪い、その後も終始落ち着いたプレーでセットを先取した。第2セットでは、審判の警告に腹を立てたセレーナ選手が違反を重ね、ポイントペナルイティーやゲームペナルティーを受けるなど、荒れた展開となった。冷静さを失ったウィリアムズ選手と対照的に、大坂選手は堅実なプレーを維持し、優勝を獲得した。

審判への暴言でゲームペナルティー

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第2セット第2ゲームに、ウィリアムズ選手は、コーチから試合中に指導を受けたとして警告を受けた。この時、カルロス・ラモス(Carlos Ramos)主審に近づき、コーチングは受けていないと主張。「あなたは知らないかもしれないけど、いかなるコードも私たちは使用していない」「不正をして勝つくらいなら、負けを選ぶわ」などと発言した。

審判への不満を募らせたウィリアムズ選手は、第5ゲーム後にラケットを叩き壊したことにより、2度目のルール違反を宣告される。これがポイントペナルティーとなり、1ポイントを失ったことに気がついたウィリアムズ選手は、審判につめより、改めて、コーチングを受けていないと最初の警告を否定。「私に謝りなさい」、「私は人生でかつて不正をしたことなんてない」、「私には娘がいる。彼女のために正義を守る」とまくしたてた。

4-3の大坂選手リードで迎えたチェンジオーバーの際、ウィリアムズ選手はラモス主審に向かって、「私の性格を攻撃した」、「謝罪しなさい」と執拗に抗議を繰り返し、さらに「あなたは嘘つきだ」「私からポイントを盗んだ。あなたは泥棒だ」と暴言を繰り返した。これに対し、ラモス氏は3度目の違反を宣告。
結果、ウィリアムズ選手はゲームペナルティーを受け、ゲームは5-3となる。これにさらに腹を立てたウィリアムズ選手は、トーナメントレフリーと女子テニス協会(WTA)スーパーバイザーを呼ぶように要求。試合は数分間中断し、会場からは審判に対して大きなブーイングが起きた。「これはフェアじゃない」「どれだけ多くの男子選手がこれをやっているか知ってるの」など、ペナルティーが不当だと主張を繰り返した。

試合開催後、WTAは「試合中に起きたことに関し、調査の必要性がある。」と声明を発表。USオープンは、ラモス主審の判定は最終決定であり、コートに呼ばれたトーナメントレフリーまたはグランドスラムスーパーバイザーによって覆ることはない、と声明を発表した。

全米テニス協会(USTA)のカトリーナ・アダムズ(Katrina Adams)会長は、セリーナは、表彰台で大坂なおみに対して、真のチャンピオンとしての品格ある行為で、スポンサーシップを示したと述べた。

主審の判断に関しては、「主審が主役になるべきではない」、「男子の試合ならこれは起こっていなかった」など様々な意見がソーシャルメディアに寄せられている

表彰台でも大ブーイング

全米オープン女子 大坂なおみ優勝
©mashupNY

表彰式もブーイングによって一時中断させられた。大坂選手は、サンバイザーを目深にかぶって涙を浮かべていたという。
ウィリアムズ選手は「この瞬間を素晴らしいものにしましょう。認められるべき功績は讃え、ブーイングはもうなし。おめでとう、なおみ」と言って、観客の声を制する場面が見られた。
大坂選手は「みんなが彼女に声援を送っていたのは知っていた。こんな結末になって申し訳ないです。ただ、この試合を観てくれて、ありがとうと言いたい。」と感謝を述べ、観客から大きな拍手を浴びた。ウィリアムズ選手との決勝戦で対戦する夢が叶った大坂選手は、「対戦してくれてありがとう」と、彼女の方を向き、ペコリと頭を下げ、会場の笑いを誘った。

全米オープン女子 大坂なおみ優勝
©mashupNY

全米オープン女子 大坂なおみ優勝
©mashupNY

全米オープン女子 大坂なおみ優勝
©mashupNY

©mashupNY

試合前、ESPNのトム・リナルディ(Tom Rinaldi)氏に対し、大坂選手は「子供の頃からグランドスラム大会の決勝戦で彼女がプレーするのを見てきた。この機会を得ることができて、大変光栄に思っている。」とウィリアムズ選手が自身のアイドルであると述べていた。試合終了後の記者会見で、試合後ネット越しにウィリアムズ選手とハグした時のことを語り、再び小さな子供になったように感じだと感極まる場面もあった。

ウィリアムズ選手のコーチが事実を認める


ウィリアムズ選手のコーチ、パトリック・ムラトグルー(Patrick Mouratoglou)氏は、ESPNのインタビューに「コーチングをしていたが、彼女は見ていなかったと思う」とゲーム中に指導を行ったことを認めた。しかし、「彼女(大坂選手)のコーチもずっとコーチングしていた。みんな試合中は100%やっている」と述べ、グランドスラム大会でも一般的に行われていることを強調した。

試合後会見 私は女性の権利のために戦う

ウィリアムズ選手は、試合後の会見で「シグナルなんてない。話したこともない」と試合中の指導がなかったことを改めて主張。「私は反対側の端にいた。」「彼(コーチが)何のことを話したのか、はっきりさせたい」と述べた。試合中のコーチングのルールについて、意見を求められると、「ここで認められていないことは理解している」と発言し、ルールの是非に関する言及を避けた。大坂選手については、「すごく安定」しており「かなり集中していた」とプレーについて語り、「この試合で、私は彼女から学ぶことができた。」と敬意を表した。

 審判への「泥棒」発言に話が及ぶと、「他の審判に色々なことを言う男子選手を見たことがある。」「彼は決して男子選手にゲームペナルティーをとったりしない。」と不平等であることを非難。さらに「性差別を受けたかに感じた」「私は女性の権利と不平等と戦うためにここにいる」と目に涙を浮かべながら感情的に語った。

米メディアの意見

NewYorkデイリーニュースの記者ステファン・ボニー(Stefan Bony)氏は、「セリーナ・ウィリアムズが成し遂げたのは、非難とメルトダウン(崩壊)。彼女は、彼女より良いプレーをした対戦相手、大坂なおみの素晴らしい瞬間を奪い、彼女の人生における最も素晴らしい日を恥ずべきものにした。」として、彼女の「女性の権利の主張」や「USオープンが自分を排除しようとしている」という考えを一蹴した。「この試合で謝罪されるべき唯一の人物、それは大坂なおみだ」と述べている。

ワシントンポスト紙のコラムニスト、サリー・ジェンキンス(Sally Jenkins)氏は、カルロス・ラモス主審が、審判の権限を乱用し、2人から大事な瞬間を奪ったとして、ラモス氏を批判している。

女子優勝を報じた際、大坂なおみではなく、敗退したセリーナ・ウィリアムズの写真をトップに掲載したメディアも多い。読者からは、勝者の写真を掲載するべきだという声も多く寄せられている。

ウィリアムズ選手には17,000ドル罰金

USTA(アメリカテニス連盟)は、9日、セリーナ・ウィリアムズ選手が行った主審への暴言やコーチングなどのコード違反に対し、合計17,000ドル(約190万円)のペナルティーを発表した

AP通信によると、罰金の内訳は、ラモス主審への暴言に対する違反行為で10,000ドル(約110万円)、コーチングによる警告で4,000ドル(約44万)、ラケット破損の違反行為で3,000ドル(約33万円)となる。

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