トランプ氏弾劾裁判初日、議事堂襲撃の衝撃映像でスタート

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9日、上院ではトランプ前大統領に対する2回目の弾劾裁判がスタート。初日は、退任後の大統領を弾劾裁判にかけることについて、合憲性をめぐる採決が行われた。

最初に意見陳述を行なった弾劾マネージャーのリーダー、ジェイミー・ラスキン議員(民主 メリーランド)は冒頭、退任直前の行いに責任を問えないとする弁護側の論理は、新たな例外を設けることだと主張。退任に際してやりたい放題を許すことで、「1月の例外」は建国の父たちにとっての悪夢への誘惑だと述べた。6日のトランプ氏のスピーチと議事堂襲撃のクリップを集めた13分間におよぶ映像を流し、「1月の例外」が「将来に何を意味するのか」と問いかけた。

ビデオは当日撮影された複数の素材を時系列に沿ってつなぎ合わせたもので、トランプ氏がホワイトハウス近くの集会で、支持者らに地滑り的な勝利を収めたなどと話した上で、我々は議事堂に行進するのだと呼びかける場面からスタート。暴徒が議事堂に周辺のバリケードを次々と破り、窓を破壊して建物に押し入る様子が収められている。

「裏切り者のペンス」「盗みを止めろ」「反逆者」などと叫びながら、議事堂内を占拠する様子や、退避する前の議員が残る議場ドアまで暴徒が到達する場面、下院議長フロアに侵入を試みたアシュリー・バビット氏が銃撃される瞬間、ドアに挟まれ苦しむ警察官の映像などがふくまれている。最後は、トランプ氏が暴動発生から4時間後に投稿したツイートで締めくくられた。トランプ氏は投稿で、暴徒に帰るよう呼びかけつつ「神聖な地滑り的勝利が、愛国者から無礼に、悪意を持って奪われるとき、このようなことが起こるのだ」「この日を永遠に覚えておこう」と述べた。

ビデオを終え、ラスキン議員は「あなた方は、憲法における重罪や軽罪とは何かと尋ねているが、これが重罪と軽罪だ」と説明。「これが弾劾に相当する犯罪でなければ、弾劾のようなものは存在しない」と力説した。

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この後、弾劾マネージャーの一員のデイビッド・シシリーン議員はトランプ氏のツイートを3回読み返したが「心の底から恐ろしいものだ」と述べ、「彼は事件を祝したのだ」批判した。

双方の意見陳述の後に実施された採決では、56対44で今回の弾劾裁判は合憲とされた。