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「文化の盗用」で非難殺到 セックス・アンド・ザ・シティ新章

昨年12月から配信が開始された「セックス・アンド・ザ・シティ」の続編「And Just Like That…」。17年ぶりの大人気ドラマの復活に、大きな期待が寄せられていたが、主人公の「後退ぶり」に、その間ニューヨークにいなかったか、眠っていたのではないかという辛口意見が飛び交っている。

(ここからはネタバレが含まれます)

「ディワリ」(Diwali)と題された第6話では、キャリー(サラ・ジェシカ・パーカー)が有色人種の文化に疎すぎるとして呆れる声が上がったほか、登場する家族が南アジア系のステレオタイプに描かれているとして、非難を浴びている。

キャリーは、不動産のブローカーで、インド系の友人シーマ・パテル(サリタ・チョウドリー)とともに、ヒンズー教徒の祭典「ディワリ」の衣装を買いに出かける。

シーマはここで、キャリーにディワリについて説明するが、SNSでは「ディワリ祭を知らない、ニューヨークの最後の白人女性」「55歳のニューヨーカーが、ディワリについて聞いたこともないなんて」などと揶揄するコメントが投稿された。

シーマは、自宅で開催するパーティにキャリーを招待。「サリー」の着用は不適切ではないかと心配するキャリーに、シーマは「文化の盗用ではなく、文化に対する理解よ」と説得した。

製作陣は、衣装についてリサーチが不足していたようだ。ネットでは、2人が店で話している衣装は、サリーではなく、「レヘンガ」(長いスカートと、トップスを組み合わせた伝統衣装)だと指摘する声が上がった。また、キャリーのヘッドドレスについても、スカーフではなく「花のモヒカン?」とツッコミが寄せられている。

さらにパーティでは、シーマの両親が、娘のボーイフレンドについて、しきりに尋ねるなど、結婚に固執する様子が描かれており、ステレオイプだとの批判が寄せられた。

インド版VogueのエディターArushi Sinha氏は、ドラマが有色人種のキャラクターを「形だけのもの」として扱っている証拠だと指摘。娘のボーイフレンドについて質問するシーンは、陳腐であり、インド系のキャラクターの一片を紹介するだけなら、「大量生産のステレオタイプを用いて描くのは、良い考えではない」と批評した

ちなみに第6話は、ミランダ役のシンシア・ニクソンの監督デビュー作だった。

シンシア・ニクソンはELLE UKのインタビューで、オリジナル作品は、キャストに人種の多様性が不足していたことなど、「本当に誤っていた部分を修正する必要性があった」と語っており、このことが続編を製作しようと思った理由の一つだと明かしていた。

ただの時代遅れの50代になってしまった感のある主人公。多様性を反映した作品作りは、なかなか困難なようだ。

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