ウクライナ全域を狙った大規模なミサイル攻撃を繰り返しているロシア軍だが、備蓄の低下に伴い、アプローチを変えているという。

ウクライナ国防省情報局のヴァディム・スキビツキー氏は、RBCウクライナのインタビューで、戦略的備蓄は、一般論として30%以上を保つべきとされているとした上で、ロシアは全種類のミサイルが、基準を下回っていると分析。ロシア国内で「ミサイル在庫の補充が現実的な問題になっている」と見解を示した。

大晦日の爆撃は、間隔と質量ともにこれまでと異なり、まず日中は、通常よりもはるかに少ない数のミサイルをキーウに向けて発射し、夜間にはイラン製ドローン「Shahed」で首都を襲ったと説明。以前は巡航ミサイル70発を使用したが、31日はわずか20発だったという。

「彼らは今、新しいアプローチを適用しようとしている。大規模な空襲に十分なミサイルがなければ、高精度ミサイルやKh-22、S-300に、カミカゼドローンを組み合わせてくるだろう」と述べ、民間のインフラ施設に対する攻撃ペースを維持するためだと語った。

ニューヨークタイムズがウクライナ空軍の報道官の話をもとに伝えたところでは、ロシア軍は31日の夜から1日にかけて、80機あまりの自爆型ドローンを発射した。ただしウクライナ軍はすべての撃墜に成功し、「かつてない結果を達成した」と成果を強調している。

(キーウポストの記者が投稿した首都キーウの夜間の様子↓)

西側が供与したものを含む防空兵器の有効性が示された結果となったが、同紙は、これらの防空手段のコストが、ドローンよりもはるかに大きい点に触れ、現状の手段をどれほど長く維持できるか、疑問もあると指摘した。

ウクライナの戦闘を支援するコンサルタント企業「Molfar」の代表、アルテム・スタロシーク氏によれば、「Shahed-136」の製造費用はわずか2万ドルであるの比べ、ウクライナが使用するソ連時代の地対空ミサイル「S-300」は14万ドル、米国製のNASAMSでは50万ドルにのぼるという。

ウクライナ軍では、ドローンの撃墜に対空砲や小火器も使用しているが、ロシアが夜間攻撃を強化するのに伴い、地対空ミサイルへの依存が増加。31日はNASAMSが複数回使用されたという。

専門家の一部からは、コストの不均衡がやがてロシアに有利に働き、ウクライナおよび同盟国に多大な損害が出るとの指摘があるほか、スタロシーク氏は、ウクライナが米国をはじめとする同盟国の補給と費用負担に依存しているとした上で、これら同盟国の間で、時間の経過とともにコストをめぐって嫌気が生じる危険がある、と懸念を示した。

今後はドローン対ドローンに?

そうした中、AP通信は先日、ウクライナ軍が対ドローン用のドローンの開発を進めていると報じた。

同国のデジタル変革大臣、ミハイロ・フェドロフが同社のインタビューに答えたもので、同氏は、ウクライナ軍は現在「フライアイ」のような小型無人機で偵察や監視を行なっているが、「偵察ドローンを装備した今、次の段階は攻撃用ドローンだ」と説明。「爆発するドローンと、最大3キロ~10キロメートル飛行して、標的を攻撃するドローンの両方だ」と語った。

フェドロフ氏はさらに、ウクライナは他のドローンと交戦し、撃墜する無人機の研究開発を行なっていると明かし、「ドローンをめぐる状況は、2月か3月に劇的に変化する」と語った。