ロシア政府は7日、国内外で人気のラッパーOxxxymiron(オクシミロン)を「外国エージェント」に指定した。政府への批判を封じ込める活動の一環とみられる。

AP通信によると、Oxxxymiron(本名:ミロン・フョードロフ)のほかに、ベテランSF作家で「メトロ2033」の著者ドミトリー・グルホフスキー氏、著名な女性人権活動家、アリョーナ・ポポワ氏もリストに加えられた。

ニューヨークタイムズによると、Oxxxymironは、ポストソ連のグローバル化したロシアを象徴する存在だった。ロシアとドイツで育ち、オックスフォード大学で学んだ。故郷セントペテルブルグに戻った後、ロシアラップのアンバサダーとして国際舞台で活躍してきた。

ロシアがウクライナに侵攻を開始した翌月、チケットが完売していたモスクワ公演をキャンセルし、代わりにイスタンブールで慈善コンサートを開いた。舞台に「ロシア人は戦争に反対している」と描かれたバナーを掲げたコンサートの様子はYouTubeでも配信し、すべての収益を、故郷を追われたウクライナ難民に役立てると約束した。聴衆に「数百万人のロシア人が戦争に反対している」と語り、「無力だと思いたくないが、俺たちが今日やっていることが、絶対にちっぽけなことはわかってる。これはウクライナだけじゃなくて、ロシアにとっても重要だ」と訴えかけた。

ロシア当局は8月に、Oxxxymironの作品について捜査を行っていたという。ロシアの法律では、海外から資金提供を受けた政治活動に関与したとみなされる組織や個人を「外国のエージェント」に指定することが認められているという。

Oxxxymironの歌詞は、政治的な内容も多く、収監中の反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏を支持する集会に参加したこともあった。

ドイチェ・ヴェレによると、一旦「外国エージェント」にされると、SNSの投稿を含む公開するものすべてに、当局からそのように指定されていることを示す注意書きをすることが義務付けられる。半年ごとに財務内容や活動に関する報告を求められるほか、毎年監査を受けなければならない。この用語は、ソ連時代からスパイ活動を想起させるもので、以前は反体制派を指す言葉としても使用されたという。「外国エージェント」にラベル付けされることで、広告主が萎縮することなどにつながるという。

Oxxxymironは7日にツイッターのアカウントを更新。俳優デカプリオのドヤ顔のミームを投稿した。